「できる! デザイン経営塾」第2回
エイトブランディングデザイン代表 西澤明洋

           

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「できる! デザイン経営塾」第2回
エイトブランディングデザイン 代表 西澤明洋
デザインを経営に活かす! ブランディングデザインの実践

概要

  • タイトル「できる!デザイン経営塾」(全6回無料配信)
  • 視聴方法Schoo授業ページよりご確認ください。(第1回・第2回のみYouTubeで無料公開中!)
  • 授業URLhttps://schoo.jp/class/6972
  • プログラム・日時《第1回》5月12日(火)20:00~21:30「デザインを経営に活かす!ブランディングデザインの考え方と進め方」
    ※無料公開中:
    https://youtu.be/evnsBvHNWn0
    《第2回》5月19日(火)21:00~22:30「デザインを経営に活かす!ブランディングデザインの実践」
    ※無料公開中:https://youtu.be/IFC4CURsLe8
    《第3回》6月10日(水)21:00~22:30「ブランディングを考えよう!(ワークショップ1)」
    《第4回》6月24日(水)21:00~22:30「一緒にデザインしてみよう!(ワークショップ2)」
    《第5回》7月8日(水)21:00~22:30「デザイン経営を本から学ぼう!(読書課題)」
    《第6回》7月29日(水)21:00~22:30「これからのデザイン経営の話をしよう(質問回)」

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《第2回》デザインを経営に活かす! ブランディングデザインの実践


Ch.1 「ブランディングデザインのおさらい」
Ch.2 「ブランディングデザインの実践 -釜浅商店-」
Ch.3 「熊澤社長と西澤先生への質問コーナー」
Ch.4 「その後の釜浅商店」

第1回はブランディングデザインの考え方についての講義でした。今回は第1回で学んだブランディングデザインの考え方を経営に活かす実践編です。ブランディングの進行方法が分からないという方、必読です! エイトブランディングデザインがブランディングを手掛けている「釜浅商店」の熊澤大介社長をゲストにお招きして、経営者とデザイナー双方の立場から、実際どのようにブランディングを実践していったのかをご紹介しています。


Ch.1 ブランディングデザインのおさらい

第1回のセミナーノートはこちらから。https://creatorsmap.jp/skill-up/2020/05/20200519-252.html

[前回の復習]

デザイン経営とは経営全体にデザインを活かすこと

・ブランディングデザイン=デザイン経営

ブランディングデザインの3階層® MCC
M(マネジメント)、C(コンテンツ)、C(コミュニケーション)
上から下の縦軸の一貫性を通すことが大切。

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フォーカスRPCD®
R(リサーチ)→P(プラン)→C(コンテンツ)→D(デザイン)を何周もすることでメンテナンスをし続けて、ブランドを成長させていく。釜浅商店の場合は現在3周目!

ブランディングデザイン=共創のデザインというお話が前回ありましたが、ブランディングデザイナーの西澤先生と経営者の熊澤社長が、実際にどのように進行していったのか、MCCRPCDに着目しながら見ていきましょう。
*本文では便宜上、MCCとRPCDの要素に色をつけて区別しています。

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Ch.2 ブランディングデザインの実践 -釜浅商店-

釜浅商店は、浅草合羽橋にある明治41年創業の老舗料理道具屋。熊澤大介社長は2004年に四代目社長に就任。2009年に相談があり、2010年からプロジェクトが開始した。

[相談のきっかけ]
合羽橋に行かなければ道具が揃わない時代から、わざわざ足を運ばなくても済む時代への変化。

問屋街の歴史も約100年あるが、元々はプロが通っていた。熊澤社長が子供の頃には、人通りが絶えない賑やかな通りだったが、バブル崩壊以降は景気が衰退し、飲食業界も落ち込んできて、年々人通りが少なくなってきていた。潤沢な予算がある訳ではなかったため、まずはWebサイトを作り直そうと思い、知人に相談したところ、西澤さんを紹介されたのが始まり。

何か商売をするならば合羽橋に行かないと道具が揃わないという好調な時期もあったが、バブル崩壊での落ち込みの他にも、ホームセンターやインターネットの普及など、世の中の流通の仕組みが変わったことが原因で、売り上げが最盛期から3割~4割減ほどになっていた。

「R」 リサーチ

◆合羽橋は衰退していたが、東京スカイツリーがもうすぐできるという時期だったため、観光目的のお客さんが増え始めていた。
◆釜浅商店の強み
・釜浅商店の目利きによる独自の道具のセレクト
・全国各地の職人とのつながり
4代にわたって良質な道具を全国各地から仕入れている。

強みが分かったところで...
Q.釜浅商店をどのようにブランディングしますか?
→MCCの階層に分類して、どのように組み立てていくかを考える。

進めていく過程で印象的だったのが、Webサイトを作り直す「本当の意味」は何ですか? と質問したところ、人が来なくなってしまった合羽橋にもう一度人を呼び込みたいとのことだった。ネット販売に切り替えて売り上げを伸ばしているお店もあったが、それだと街に人が来るということには繋がらない。道具は手に持って使う物だから、実際に手に取って選んでもらいたいという想いだった。自分のお店の売り上げが伸びれば良いという訳ではなく、合羽橋を盛り上げたいという熱い想い!

料理道具の良さを伝えるためには現場が重要なので、Webサイトをリニューアルするだけでは、熊澤さんの悩みを解決できないと判断。お店をどのようにしていけば良いか一緒に話を進めていった。

「P」 プラン
元々はB to Bの商売(料理道具のプロが料理人のプロに商品を売る)。これが浸透している街なので、一般客からすると利用しづらい面もあった。
「B to B」から「B to B+C」へ M (マネジメント)レベル
のシフトを戦略として打ち立てていった。

また、この戦略だけでは上手く伝言ゲームが伝わらないため、
道具だけでなく「人」にもフォーカス C (コンテンツ)レベル
というテーマを設け、次の「C」(コンセプト)に進めていった。

「C」 コンセプト
「良理道具
職人さんの話が良く出てきていたので、ただの工業製品ではないことを伝えようと思った。
釜浅商店は、良いものをきちんとセレクトして、良いものをお客様にきちんと伝えていくという伝言ゲームの媒介者のような役割を担っているため、これをコンセプトに。

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ブランドコンセプトはキャッチコピーではない。自分たちのスタート地点を振り返ったり、あらゆる判断基準として用いたりする言葉。自分たちのなかで一番大切なメッセージは何かを考え、売り上げよりも数字よりもまず良い理を伝えることを目的に設定した。

「D」 デザイン 
まずはブランドロゴをリニューアルした。C (コミュニケーション)レベル

◆ロゴ

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[旧ロゴの問題点]
・名前を覚えてもらいたいのに、読めない。
・実際に販売している商品はもう少し高級感があり、温度感の差を感じる。

→釜浅商店の名前の由来は「浅草の釜屋さん」から。初代は釜専門店だったという。名前の由来をデザインで表したいと思った。漢字に「なべぶた」という部首があるが、「かまぶた」を創作し、具象化していった。海外のお客様も増えているということで、日本の伝統や文化の豊かさを伝えたかったため、漢字をモチーフにした。

ブランドツールの名刺、封筒、パッケージ類など C (コミュニケーション)レベル
買い物をして驚いたのが、商品を購入すると新聞紙で包んで白い袋に入れて渡される。
→これはプロの料理人にとっては合理的だが、B to Cの観点から見ると、お買い物の体験としてお客様に納得してもらえない。

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「場」 C (コンテンツ)レベルでのデザイン
釜浅商店はメーカーではないため、コンテンツにあたるものは、道具を選び、仕入れて、並べて、お客様と引き合わせるという「場」である。その「場」すなわち建築とインテリアをデザインすることに力を入れた。コラボレーションパートナーとして、建築家の吉田昌弘さん(株式会社KAMITOPENカミトペン)に入ってもらった。

Q. 建築やインテリアの場合、デザイナーに依頼するべき?
A. 建築やインテリアの場合、デザイン設計費が余分にかかってしまうため、デザイナーに依頼せずに施工業者に丸々デザインごと任せたほうが良いと思われがちだ。ところが、1000万施工費がかかる場合、デザイン設計費は約10%の100万円程度になる。100万円は1000万円の施工をどのように活かすかという部分に支払われる価値なのでレバレッジ効果が非常に高く、デザイナーが入る価値は大いにあると言える。

◆外装・内装

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[リニューアル前の問題点]

・ビルが2棟あるが、同じお店だと認識してもらえないことが多かった。
・インテリアリニューアル前はスチールラックを使っていたが、これが壁のようになってしまい、見通しが悪かった。プロのお客様には利用していただけたが、一般のお客様にとっては、どこに何があるかが分かりづらかった。

→あまりコストがかけられないため、建物にぐるっと暖簾を巻くことで、2棟のビルが同じ店舗であることを認識してもらえるようにした。
→スチールラックに関しては、丸型にするという案を吉田さんが提案してくれた。釜の形をモチーフとしてオリジナルの什器を制作。異形鉄筋という建物の構造用材料を曲げて作っているためコストも抑えられる。これで、どれだけ商品が並べられても見通しが悪くならず、開放感を演出することができる。また、敷かれている網には小物をディスプレイすることができ、木の蓋を載せるとテーブルのように使用することもできる。

B to Cへの切り替えも意識
・リニューアル前の陳列棚だと、商品のコーナーの境目が分かりづらかった。
→丸型だと、商品ごとにコーナーを分けられるため、一般のお客様も利用しやすくなった。

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・庖丁フロア
まな板のテーブルを設置。
リニューアル前から釜浅商店では、庖丁をご購入いただく際、何本か棚から出して手に取ってもらい、選んでもらうという販売方法をしていた。ゆっくり選んでもらうというのも提供したいサービスの1つだったため、庖丁を選んでもらう大きめのスペースを用意。そうすることで、従業員とお客様の接客の場を設けることができ、これも1つのコンテンツとなった。

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◆POP
接客を見ていると、職人さんについての説明が頻繁に行われていた。伝えるには、言うだけではなく見せたほうが良いため、職人さんに取材を行い、POPを制作した。職人さんにも喜ばれ、関係がより深まったこともブランディングの効果の1つだという。他にも、道具についてはもちろん、庖丁研ぎや名入れなどのサービスについてのPOP制作など、普通のことではあるが、B to Cへの対応体制を整えていった。

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◆Webサイト
Webよりも現場が大切だったため、現場のデザインがある程度整ってから着手した。実際に商品を手に取ってみたいと思ってもらえるように、ブランドストーリーが伝わるデザインに。
http://www.kama-asa.co.jp/

◆ブランドムービー
エイトブランディングデザインがWebで特に力を入れて取り組んでいるものが、ブランドムービーである。スマートフォンでのアクセスが優勢となり、前よりも詳細を見てもらえなくなったためだ。ブランドムービーはCMとは異なり、映像で見ただけで直観的にブランドの良さ(MCCの内容)が伝わるように制作している。釜浅商店の場合、「使い手と作り手がいて、それを伝える売り手がいる。」ということで、道具がどういう風にバトンとして渡されていくのかを映像でお見せしている。

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ブランドムービーは、釜浅商店さんのWebサイトにて是非ご覧ください!
http://www.kama-asa.co.jp/

Ch.3 熊澤社長と西澤先生への質問コーナー

Q. 職人さんなど、ブランディングに慣れていない方を巻き込むコツはありますか?

熊澤社長:
職人さんは表に出ることを嫌がる方が多いのですが、お付き合いが長いこともあり承諾してもらえた。実際に足を運んで取材をしているうちに、「こんなに一生懸命に撮ってくれるの?」とすごく喜んでいただけた。熱量を直に感じてもらえて、徐々に心を開いてもらえました。取材を行った後でも、さらに良い関係性が続いています。

Q. B to BからB to Cの方向へ寄せていくと、店舗もビジネスもデザインが中途半端になりがちだと思いますが、その懸念を払拭する方法はありますか?

熊澤社長:
改装していただいたおかげで、C(一般のお客様)には使いやすいお店になったと思うのですが、実際に取り扱っている商品や接客は全く変わっていなかったため、最初から上手くいっていた訳ではありません。これは想定の範囲内だったのですが、常連のお客様からは敬遠されてしまうこともありましたね。半年ほどで上手くチューニングできるようになりました。

西澤先生:
どんなブランディングをやっても、ネガティブな反応は必ず出てくる。これはどんなに成功するブランディングを行っても同じことが言えます。変化することに対してネガティブな反応をされる方は必ずいらっしゃるので。大切なのは信念をもって乗り越えて、新しい文化創造をしていくことだと思います。

Q. 両者の間で、摺り合わせが難しかった点はありますか?

熊澤社長:
特になかったです。デザインに取り掛かるまでに半年ほどかけて話をすごく聞いてくれたので、安心できました。

西澤先生:
そのように言っていただけて、フォーカスRPCD®のRPCの辺りは一緒に伴走しながら進めていくことがやはり大切だということに改めて気付かされました。

Q. Webデザインの依頼の予定が最終的に経営面まで広がっていきましたが、そこまでデザインに投資しようと決断できたのはどうしてですか?

熊澤社長:
余裕が無いなかで何かできないかと考えていたので、Webくらいだったらと思っていたのですが、西澤さんに相談すると、これはブランディングをするべきだという話になってきたんです。今でこそブランディングという言葉は浸透していますが、10年前は何となく聞いたことがあるという程度だったので、なんだか話が大きくなってきて困ったな、と最初は正直思いました(笑)ですが何度もお会いしてお話をしているうちに、少しずつブランディングのことを理解していき、自然と気持ちが向いていきました。


Ch.4 その後の釜浅商店

デザイナーの場合デザインが完成すると終わりだが、ブランディングの場合はここからがスタート。

前回のお話に出てきた「ブランディングに必要なもの」

  1. トップの熱い想い
  2. 良いモノ
  3. コミュニケーションチーム

プロジェクトの過程で、3. コミュニケーションチームが欠けていたため、出口 治さんというPRコンサルタントに入ってもらった。今では、釜浅商店には社員20人中、広報を担当されている方が3名もいる。

◆メディア掲載、出演
デビューは2011年2月で、少しずつお客様が増えてきたタイミングで東日本大震災が起こった。それでもしっかりと盛り上げていくためにPRを続けていった結果、初年度に『日経消費ウォッチャー』(日経BPマーケティング)や『家庭画報』(世界文化社)、『Pen』(阪急コミュニケーションズ)など、あらゆる雑誌に取り上げられた。

なかでも「SANKEI EXPRESS」(産業経済新聞社)の新聞見開き記事では、見出しに「良い道具には良い「理」がある」と記載された。ブランドで一番大切なメッセージを、そのまま記事の見出しに使ってもらえるのは、伝言ゲームが成功した証である。掲載されているのは南部鉄器の画像で、東日本大震災の復興の意味も込めて、良い道具を途絶えさせてはいけないとメディアも一丸となって盛り上げていこうというコミュニケーションになっていった。

NHKの昼番組で、30分の放送のうち10数分間の特集で取り上げられた。合羽橋に取材をしようと考えた際に、他にも良いお店はたくさんあるが、釜浅商店ほど伝える準備が整っているところは他になかった。
→メディアを受け入れる体制を整えていくことが、伝言ゲームを加速させる。

ブランディングデザインはブランドの種づくりのようなもので、DNAを種にぎゅっと詰め込んでいく。PRをするということは、その種を撒いて、水をあげる作業である。そうすることでだんだんと情報が花開いていく。

◆ポップアップ式店舗と支店
PR戦略において、特に催事に積極的に取り組んでいった。ポップアップ用移動式釜浅商店を、異形鉄筋を用いた什器で吉田さんにデザインをしてもらった。

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料理道具屋さんとしては異例で、国立新美術館のミュージアムショップに出店。また、ポップアップで出店していた「D&DEPARTMENT TOKYO」では、期間終了後に常設で出店させてもらえることになった。他にも東京ミッドタウンや海外にもポップアップ出店し、2018年にはパリ支店を構えるまでになった。

[海外にお店を構えた理由]
広尾に支店を構えていたが、経営が上手くいかず数年後に閉店することになった。それが悔しく、いつかまたどこかでお店を出したいという思いがずっとあった。お客様が合羽橋に来て欲しいというのが最終的な目標だが、待っているだけでは駄目で、自分たちからお客様のほうに近づいてお伝えしなければいけないと思っていた。パリで、ポップアップ店舗を5回程出していくうちに段々とお客様も増え、料理の本場であるため元々パリにお客様が多かったことも一助となり、土壌が固まってきたところでいよいよ支店を出すことになった。その後もサンフランシスコ、ロンドンと海外進出をしている。

◆書籍出版
『創業明治41年 釜浅商店の「料理道具」案内』(PHP研究所)
料理道具屋が本を出す場合、料理道具のカタログのようになりがちだが、料理道具の本質や背景、手入れ方法を伝えられる本を出したいと思っていた。
書籍でも、「良い道具には良い「理」がある」と書かれている。
→あらゆるコミュニケーションにおいて、コンセプトである「良理道具」を伝えることができている。

◆SNSの発信
2年くらい前から、FacebookとInstagramを当番制にして発信している。料理道具を使って料理をしている様子や、おすすめ道具の紹介など。

◆新しい取り組み
さらち祭
昨年ビルのうちの一棟を老朽化により建て直すことになり、その際に行ったイベント。ビルの建て替えが決定した時から絶対やりたいと思っていた。取り壊して更地になっている期間に、日頃お世話になっている方々をお呼びして、更地での楽しい時間を共有した。

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◆ブランディングデザインの効果
売り上げは翌年から前年度比で15~20%程度増え、ブランディング前から現在までを比較すると約2倍となり最盛期を超えている。また、現在までで20名の新規採用を実施した。

ブランドができるまでには5~10年かかるというお話が前回あったが、釜浅商店は今10年目。

最後に、熊澤さんにとってのブランドとは?
やりたいことを実現するための武器

お客様に伝えたいことや、伝えるためにやりたいことを、いくらもっともらしく説明しても、なかなか聞く耳をもってもらえないことが多かったが、ブランドが強くなっていくにつれて、耳を傾けてもらえるようになった。


課題

宿題1. 商品のリ・ブランディングを考える
提出締切:6月4 日(木)17時
《第3回》「ブランディングを考えよう!(ワークショップ1)」6月10日(水)へ向けて、商品のリ・ブランディング フォーカスRPCDのR(リサーチ)、P(プラン)のプロセスを実践してみる。

課題:スーパーで、中身は良いがパッケージデザインで損をしているような商品を見つけて、その商品のリ・ブランディングの企画を考える。(*3密にお気を付けください。)
調べ方や企画アイデアの出し方は自由です。

POINT:MCCのうちのM(マネジメント)、C(コンテンツ)を重視
・商品だけを考えるのではなく、商品の市場や会社のポテンシャルを調べる。
・商品の特徴を考えながら、どういう風に条件を組み立てていけば、その商品がリ・ブランディングできるか、作戦を考える。(空想の条件でもOK !)
*提出方法については、記事下方のURLから宿題・資料をダウンロードし、確認してください。

宿題2. 読書課題10冊を読む
7月8日(水)《第5回》「デザイン経営を本から学ぼう!」の回までに

課題図書リスト
1. 『知識創造の方法論』野中郁次郎・紺野登 著(東洋経済新報社)
2 『ストーリーとしての競争戦略』楠木建 著(東洋経済新報社)
3. 『新しい市場のつくりかた』三宅秀道 著(東洋経済新報社)
4. 『はじめての社内起業』石川明 著(ユーキャン)
5. 『金持ち父さんの起業する前に読む本』ロバート・キヨサキ 著(筑摩書房)
6 『小さな会社の生きる道』中川淳 著(CCCメディアハウス)
7. 『コーポレート・アイデンティティ戦略』中西元男 著(誠文堂新光社)
8. 『イノベーション・スキルセット』田川欣哉 著(大和書房)
9. 『デザインマネジメント』田子學 著(日経BP)
10 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』山口周 著(光文社)

宿題詳細・資料は以下よりダウンロードできます。
https://www.8brandingdesign.com/_schoo_200519/

以上が第2回「できる! デザイン経営塾」の概要でした! 次回第3回のワークショップでは、学んだ内容を踏まえて、実際に自分たちでブランディングを考えていきます。第5回の課題図書も、お時間がまだまだありますので、是非読んでみてくださいね。

セミナーノート編集:クリエイターズ・マップ編集部 2020.05.25
  
西澤明洋

西澤明洋

1976年滋賀県生まれ。株式会社エイトブランディングデザイン代表。ブランディングデザイナー。「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD®」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana's green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、サンゲツ「WARDROBE sangetsu」、芸術文化施設「アーツ前橋」、手織じゅうたん「山形緞通」、純金工芸「SGC」、農業機械メーカー「OREC」、ブランド買取「なんぼや」、ドラッグストア「サツドラ」、博多「警固神社」、など。著書に『アイデアを実現させる建築的思考術』(日経BP社)、『ブランドをデザインする!』(パイ インターナショナル)などがある。グッドデザイン賞をはじめ、国内外100以上の賞を受賞。

関連サイト
デザインノート
アイデア
イラストノート