1980年代の躍動から現代の混沌まで。300冊を超える雑誌からの触発。
スパイラルガーデン(東京・青山)にて2024年3月27日(水)〜4月2日(火)開催決定。
STUDIO VOICE 、X-MEN 、CUT、ROCKIN'ON JAPAN 、an、新潮社月刊シリーズ、FILT、WE /など展示予定。
昭和・平成・令和と時代をまたぎ、1980年代から現在まで。アートディレクター清水正己が制作に関わってきた雑誌の数々を300冊以上展示します。
STUDIO VOICE 、X-MEN 、CUT、ROCKIN'ON JAPAN 、anから、新潮社月刊シリーズ、FILT、WE /など、その時代のカルチャーシーンを鋭く切り取ってきた雑誌の数々が勢揃い。 いま改めて、「ネオ・カルチャー」という再解釈がたち上がります。
●開催日:2024年3月27日(水)〜4月2日(火):入場無料
3月26日(火)17:00〜20:00 オープニング・レセプション
●開催場所:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
https://www.spiral.co.jp/access
●開催時間:11:00〜20:00
展覧会の企画は、ある日とつぜん、清水正己がアートディレクションしてきた数多くの雑誌が眠る書庫について話している時にはじまった。
STUDIO VOICE、X-MEN、CUT、ROCKIN'ON JAPAN、an 、新潮社月刊シリーズ、FILT、WE/、東京手仕事...。1980年代から発信してきたこの雑誌たちをこのまま眠らせたまま、やがて静かに整理されていってしまっていいのか。清水正己と時代をともに駆け抜けた世代はもちろんだが、新時代の感覚をつくりだしている新しい世代にも、紙という素材に定着したこの雑誌たちを、そのデザインをあらためて眺めてみてもらいたい。ほとんどの情報が、そしてカルチャーがデジタルに置き換わりつつあるいま、それはどんなふうに受け取られるのだろうか。
そんな想いから、誰もがふと立ち寄りやすいスパイラルガーデン(東京・青山)を第1回の展覧会の場所と決め、入場はもちろん無料とし、来場者が自由奔放に刺激を受けられるような展示をめざした。一見単純にみえるその展示方法に、細部までリアルにこだわる、アートディレクター清水正己の本気が宿る。
賞歴
『スタジオ・ボイス』エディトリアルデザイン ADC賞/『注文の多い写真館』ポスター ADC賞/『RUN RUN RUN』エディトリアルデザイン ADC賞/『注文の多い写真館』ポスター NY ADC賞MERIT AWARD/サントリーオールド雑誌広告シリーズ「このくらい贅沢がいい」クリオ賞・ファイナリスト賞/サントリーオールド雑誌広告シリーズ「このくらい贅沢がいい」日本雑誌広告賞・金賞/資生堂「ミネラルウォーターシャンプー」パッケージ 通産大臣賞/オンワード「23区」雑誌広告 日本雑誌広告賞・金賞/日立家電事業広告「デジクマシリーズ」読売広告賞・特別賞/日立家電事業広告「動物シリーズ」読売広告賞・金賞/ヒュンダイ雑誌広告 日経トレンディー広告賞・優秀賞/新日本石油企業広告 新聞広告「赤いシリーズ」日経広告賞・優秀賞/新日本石油企業広告 新聞広告「赤いシリーズ」朝日新聞広告賞・優秀賞/新日本石油企業広告 新聞広告「サルファフリー」日経広告賞・優秀賞/住友林業「コンセプトブック」経済産業省商務情報政策局長賞/住友林業「企業広告」雑誌広告シリーズ 日本雑誌広告賞・銀賞/住友林業「企業広告」新聞広告シリーズ 日経広告賞「環境広告賞・環境大臣賞」/長谷工コーポレーション「美しい現場」雑誌広告 日本雑誌広告賞「部門賞金賞」/東京手仕事「ブランドブック」造本装幀コンクール 日本印刷産業連合会会長賞
広告
POLA/花王/住友林業/東京都中小企業振興公社/環境省/オンワード樫山/新日本石油/日本信販/HITACHI/NTT-ME/キリン/サッポロ/サントリー/資生堂/日産自動車/日本テレコム/PARCO/VIVRE等多数
エディトリアルなど
STUDIO VOICE/X-MEN /CUT /ROCKIN'ON JAPAN/an/新潮社月刊シリーズ /FILT /東京手仕事/WE/など
主催:117 PRESS
協力:株式会社 INFASパブリケーションズ/株式会社ロッキング・オン/パーソルキャリア株式会社/株式会社新潮社/株式会社リョウマ/株式会社ポーラ
]]>東京カルチャーを体現してきたアートディレクター千原徹也が、原宿の新たなランドマーク「東急プラザ原宿・ハラカド」を拠点に、「Re:DESIGN SCHOOL 専門学校を再デザインする」を始動させる。
2024年春に開業する、原宿の商業施設「東急プラザ原宿・ハラカド」の3Fに、デザイン会社・れもんらいふや博報堂ケトルなどがオフィスを構えるクリエイティブフロアがオープン。クリエイターが行き来するこの場所で、一線で活躍するプロがその場でクリエイティブの技術やカルチャーを教える、これまでにない専門学校が誕生する。半年間、プロと交流し、即戦力になるクリエイターを育てるコースの、第一期生の募集を開始する。
応募資格に条件はありません。
未経験の方からスキルアップしたい方、プロとして実践的に働きたい方まで幅広く歓迎します。
一線で活躍するプロの講師陣から専門的な知識・技術を学ぶだけでなく、講師陣とのコミュニティに参加することでキャリアに繋げていくことができます。
また、キャリアパートナーとしてクリーク・アンド・リバー社と組み、就職先の紹介・相談など、サポートも万全です。
【プロフェッショナルクラス】(99万円〈税込〉定員10名)
れもんらいふや博報堂ケトルの仕事に参加する超実践型クラス
【専門クラス(5コース)】(各66万円〈税込〉定員20名ずつ)
プロの現場で活かせる専門的な知識と技術を習得できるクラス
・Aコース:グラフィックデザイン
・Bコース: DTM/DJ
・Cコース:映像編集
・Dコース:UI/UXデザイン
・Eコース:CG/VFX
【中二病クラス】(33万円〈税込〉定員20名)
アートディレクター・千原徹也による子ども向けのクラス(学校では教えてくれないカルチャーが学べます)
それぞれ6カ月で専門知識・技術に加え、デザインやカルチャーまで学べます。
専門クラスではアーカイブのオンライン購入も有り、遠くに住む方も同じ授業を見て学ぶことができます。
また、特別講義として月に1~2回、一線で活躍するアーティスト・タレント・クリエイター・経営者が特別講義を開きます(各クラス受講生参加可能)。
ぜひ、ご参加ください。
5月27日(月)開校
第1期 受講生募集開始
詳細はこちらから
▷HP:https://www.redesignschool.jp/
【各SNSアカウント】
YouTube:https://www.youtube.com/@redesignschoolharakado
X:https://twitter.com/redesignsc_hrkd
Instagram:https://www.instagram.com/redesignschoolharakado/
TikTok:https://www.tiktok.com/@redesignschoolhar?is_from_webapp=1&sender_device=pc
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=61556224029416
【各コース講師】
-プロフェッショナルコース-
千原徹也(アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表)
南俊輔(博報堂ケトル・クリエイティブディレクター)
-グラフィックデザインコース-
千原徹也(アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表)
小杉幸一(アートディレクター/クリエイティブディレクター/株式会社onehappy代表)
北沢直樹(キャラクターデザイナー/イラストレーター/ AdobeCommunityExpert/Adobe Expressアンバサダー)
パパ:髙山晃平(Adobe Community Evangelist)
-DTM・DJコース-
ヤマモトショウ(作詞家/音楽プロデューサー)
宮野弦士(作編曲家/サウンドプロデューサー)
-映像編集コース-
奥田啓太(『アイスクリームフィーバー』助監督/動画制作会社ぶんちん代表)
塚原元彦(映像制作会社doors プロデューサー/ディレクター)
-UI・UX コース-
黒木主唯(SHUI DESIGN STUDIO 代表Free Standard株式会社 執行役員CDOmoreTOKYO株式会社 取締役CDO)
滝沢将也(UI/UXデザイナー)
-CG・VFX コース-
高橋悠(映像ディレクター/『アイスクリームフィーバー』CG担当)
涌井嶺(DIRECTOR / VFX DIRECTOR / VeAble TEAM LEADER)
フジモトタカシ(3DCGアーティスト)
-中二病クラス講師-
千原徹也(アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表)
-特別講師(日程は後日発表)-
小橋 賢児(クリエイティブディレクター)
金泉俊輔(NewsPicks Studios代表取締役CEO)
テリー伊藤(演出家)
森田哲矢(芸人・さらば青春の光)
MEGUMI(俳優、タレント)
三谷三四郎(「街録ch」ディレクター)
]]>特集:未来をつくるデザイン図鑑 太刀川英輔/NOSIGNER
デザインとは、目的を達成するための手段だ。ときに一人ひとりが健やかで幸せな暮らしを送るために、ときに企業が経済活動を発展させるために。いつの時代もデザインは、人々のさまざまな願いを実現するために、その力を発揮してきた。人間の活動が地質や生態系に多大な影響を与える「人新世」に突入しているという議論がなされている現代において、地球の生態系と共生しながら、未来にわたって持続可能な社会を構築することが、我々人類の大きな願いになっている。
本号で特集するNOSIGNERを率いる太刀川英輔は、さまざまな領域のスペシャリストたちと協働しながら、防災、環境、食、地域、教育など現代社会が抱えるさまざまなイシューに対して、デザインができることを追求し続けてきたデザイナーだ。
「未来をつくるデザイン図鑑」と題した本特集では、NOSIGNERによるデザインの実践(=HOW)を紹介するだけではなく、その背景にある社会課題(=WHY)にもフォーカスを当てる。WHYとHOWを行き来しながら、社会の要請に応えてきたNOSIGNERのデザイン活動からは、より良い未来をつくるためのさまざまなヒントを見出だせるはずだ。
太刀川英輔(たちかわえいすけ):アートディレクター。横浜市出身。2003年法政大学工学部建築学科卒業。2006年慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程に在学中、あえて個人名は出さずNOSIGNERとして活動。2011年3月の東日本大震災復興支援のためのOLIVEプロジェクトとともに個人名を明かし、社会や未来に役立つデザインのみを手掛けるデザインファームを標榜するデザイン組織NOSIGNERを設立。ブランディング、商品企画、グラフィック、パッケージ、建築、空間デザインなど複数の領域にわたるトータルディレクションを行う。2021年に著書『進化思考』(海士の風)で山本七平賞を受賞。同年、JIDA(公益社団法人 日本インダストリアルデザイン協会)の理事長に史上最年少で就任、現、代表取締役社長、Expo 2025 大阪・関西・日本館 基本構想 クリエイター、金沢美術工芸大学客員教授 キリロム工科大学(カンボジア) 理事、株式会社マチミライ株式会社 チーフデザインオフィサー、株式会社47プランニング 取締役、株式会社ゼンループ チーフデザインオフィサー/取締役。
■目次
INTERVIEW 太刀川英輔:持続可能な社会を創る、デザイナーのリーダーシップ
領域を超えて広がるNOSIGNERのデザイン活動
NOSIGNERが取り組むソーシャルイシュー
NOSIGNER 10th anniversary exhibition DESIGNS FOR THE NEXT 100 YEARS 台湾展示レポート
ISSUE-01 防災 DISASTER PREVENTION|気候変動への適応
ISSUE-02 脱炭素 DECARBONIZATION|気候変動の緩和
ISSUE-03 食 FOOD|安全と持続可能性
ISSUE-04 地域 LOCAL|文化と誇り
ISSUE-05 衛生 PUBLIC HEALTH|パンデミックを超えて
ISSUE-06 集合知 COLLECTIVE KNOWLEDGE|領域を超える対話
ISSUE-07 教育 EDUCATION|創造力の学習可能性
豊富な国際経験を活かし、デザインの力を世界に発信する
年表で振り返るNOSIGNERの歩み
NOSIGNER OFFICE & STAFF 働きやすい環境と熱中できるプロジェクトが、デザイナーのパフォーマンスを最大化する
ISSUEへの理解を深めるBOOKLIST
太刀川英輔 メッセージ
クリエイターズ・バリュー クリエイター35組の仕事
Creator in the Spotlight 三宅美奈子
--------------------------------------
定価(税込)2,200円
発売日2024年02月14日
ISBN978-4-416-62397-8
誠文堂新光社HP:https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/art/85270/
2024.02.14
]]>〔NO.003〕
構成=野口真弥 Noguchi Maya 文=中山薫 Nakayama Kaoru 写真=七緒 Nao
@WeWork Tokyo Square Garden
// P R O F I L E //
三宅美奈子
クリエイティブディレクター・アートディレクター
武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業後、TOTO株式会社の社員デザイナー、電通プロックス・電通グループ会社デザイナー、アートディレクター、グレイワールドワイド、ピュブリシス(外資系広告代理店)、博報堂グループ会社のアートディレクター、クリエイティブディレクターを経験。その後1児の母となり、ランサーズ株式会社、QUANT株式会社にてクリエイティブディレクター・アートディレクター、大手鉄道会社グループのIT・マーケティングでのクリエイティブディレクター・アートディレクターを経て、2022年11月に独立し、現在はフリーでのクリエイティブディレクター・アートディレクターとしての活動とともに、クリエイティブ・エージェンシーのクリエイティブディレクター・アートディレクターを務める。
受賞歴: アートディレクター・映像プランナーとしてニューヨークフェスティバル金賞、ロンドン国際広告賞ファイナリスト、南米国際広告賞、他。 デザイナー・映像プランナーとしてニューヨークフェスティバル銀賞、電通賞最高賞、ACC、TCC、クリオ、ギャラクシー賞、台湾TPA、他。miyakeminako.com
媒体にとらわれない、戦略に基づいたクリエイティブを得意とする三宅美奈子。直近10年のIT・マーケティング事業会社での経験とともに、写真、イラストを使ったグラフィック広告・映像・Web、CG・アニメーションを使った映像、Webなど、直感的にブランドを体感させる多様な表現を駆使したクリエイティブを数多く手がけている。表現技術の高度化が進むなか、商業デザイン、クリエイティブにおいて基軸としていることや、今後の展望などを伺った。
「最初に入社した住宅総合機器メーカーでCG技術を習得したことがきっかけで、自宅でオリジナルキャラクターのムービーを自主制作したりしていました。広告業界に転職し、CM演出部でビジュアルアーティストという肩書きでCG、アニメーションを中心としたCMを制作するなか、電通が制作したテレビCM・ラジオ・新聞・雑誌・ポスターでニューヨークフェスティバル、クリオをはじめ、世界的に大きな賞をデザイナー・プランナーとして受賞することができました」
それがACジャパンのWATER MAN(1996年、第3回日米共同キャンペーン)だった。汚れた水によって弱っていく人間をリアルなCGとサウンドで表現したCMは、見る者に多大なインパクトを与えた。
シーグラフのスクリーニングでアメリカに出張した際、当時憧れのリズム&ヒューズやボス・フィルムなどを訪れ、「もっと視野を広げたい」と感じた三宅は、アートディレクターを目指すことを決意。そしてヴィーナスフォートのローンチ広告でのCMとグラフィックで、アートディレクターとして国際的な賞を受賞。この頃からやっと、本来やりたかったグラフィックデザインを多く手がけることができるようになったという。「当時、会社の先輩方に声をかけていただき、ありがたい機会をいただけたことを今でも感謝しています」
さらに近年は、「映像で指名をいただくことが増えた」とも。ブランディングを基点として、ネーミング、ロゴ、パッケージ、映像、グラフィック、Webと連動する企画で、三宅に白羽の矢が立つ。過去さまざまな現場で積んだ経験と実績があればこそだ。
「広告の映像ではクリエイティブディレクターが必要ですが、アートディレクター出身者は少なく、結果的にそこが自分の強みになっています」
@WeWork Tokyo Square Garden
生成AIの登場によってコンテンツの自動作成が可能になってきたが、広告におけるクリエイティブの基本は変わらないという。
「表現のしかたが変化しているだけで、商品やブランドのイメージがより多くの人に受け入れられるためにはどうしたらよいかという商業デザインの基本は変わりません。違いは、紙・映像・Webといったメディア軸で考えるのではなく、ブランディング戦略に基づいてメディアや表現形態を決めていくということです」
クリエイティブについては〝意図的な違和感〟を込めたいと考えている。
「親和性よりもみんなが見たことがない、これ何? と、ちょっとドキッとするものをつくりたいと、いつも思っています。たとえば、同じ会社のロゴを2つ並べるのはタブーとされていますが、従来のロゴの隣に新しいイラストでつくったロゴを並べることで、進化しようとしていることが伝わるんじゃないかなとか」
@WeWork Tokyo Square Garden
昔からファッションとミュージックビデオが好きで、カッティングエッジな映像からインスパイアされることも多い。
「壁紙やカーテンにカラフルな迷彩のテキスタイルが出てくるミュージックビデオがあり、それがライブでの衣装にも使われていたんです。そこから立体と平面をリンクさせてみよう! と思いついたりします」
クリエイティブの原動力は、「日常の中で人々を驚かせたい。ワクワクしてほしい!」という思い。さらに社会貢献したいという思いも強まっている。
「厳しく不透明な時代に、クリエイティブが必要。商業デザインは日常空間で人々の心にインスピレーションの
「Shibuya Hikarie Brand Promotional Movie 2015」
渋谷ヒカリエ ブランドプロモーション映像(渋谷ヒカリエ号・渋谷ヒカリエ館内にて放映) CD+AD+D+PL
CL: ©︎Shibuya Hikarie 2015年(Version with model)・2016年・2017年・2018年(Version without model)
渋谷ヒカリエの全館のブランディング映像。「渋谷で見つけた、私の居場所。ときめきと、やすらぎと。
私らしさ、光だす。Shibuya Hikarie」渋谷ヒカリエならではの魅力を全面にフォーカスした。
宇多田ヒカル「Beautiful World / Kiss & Cry」
CDジャケット・ポスター・アーティスト写真 他 CD+AD+D
CL:ユニバーサル ミュージック合同会社
UNIVERSAL MUSIC LLC ⓒユニバーサル ミュージック 2007年
『Beautiful World』エヴァンゲリヲン新劇場版:「序」テーマソング、『Kiss & Cry』日清カップヌードルTVCM FREEDOMシリーズ新テーマソング、『Fly Me To The Moon』収録。
「NIKKO MaaS」
ロゴ・Webサイト・トレインアド、他 CD+AD+D
CL:東武鉄道株式会社 TOBU RAILWAY CO.,LTD. 2021年リリース
カーボンニュートラル実現のカギを握る国内初の環境配慮型・日光地域の観光「NIKKO MaaS」。日光の四季、最大の特徴である「環境への配慮」の地球に優しい、エコ・サークルなイメージを表現した。
毎日Mac Bookと共に常に持ち歩いているのがスケッチブックと色鉛筆。「プレゼン用イメージをラフスケッチしたり、思いついたアイデアをまとめたり。手描きで描いていると心が落ち着くんです」
思うように外出できなかった妊娠中、自宅で描き始めたのが線画イラストだ。ボールペンを使い、ひたすら集中してモチーフの細部を捉えていく過程が楽しく、三宅のライフワークになっている。
自作の活版印刷の名刺
築地本願寺の重要文化財エリアに設置されたフォトスポットの花の活け込みの写真とラフスケッチ。2023年除夜会、2024年元旦会~1月6日まで展示された。近年、フォトスポットや内装などの空間演出のクリエイティブディレクションも手がけている。
※この記事はMOOK「デザインノートPremium 未来をつくるデザイン図鑑 太刀川英輔/NOSIGNER」の特集Creator in the Spotlightを再編集したものです。
2024.02.14
]]>構成=野口真弥 Noguchi Maya 文=中山薫 Nakayama Kaoru 写真=梅田健太 Umeda Kenta
働きながら通う人も多い桑沢デザイン研究所の夜間部は、2年間でデザインの基礎から応用まで学ぶ専門性の高い学習内容となっている。社会人として夜間部PD(プロダクトデザイン)に入学し、シヤチハタ株式会社のコンペでグランプリを受賞した
【PROFILE】
中山大暉 桑沢デザイン研究所 夜間部PD(プロダクトデザイン)専攻
2015年から株式会社ブリヂストンに勤務。アラブ首長国連邦(UAE)に駐在し、商品企画・マーケティングなどに携わった後、2022年に帰国。現在は社内ベンチャーの一員として、ゴム人工筋肉を使ったソフトロボティクス事業に携わっている。2023年11月開催の国際ロボット展では、人間中心デザインのアプローチで知られるデザインファーム"IDEO Tokyo"とコラボレーションし、新たなソフトロボティクスの体験型展示「umaru」の企画・ディレクションを行う。
喜屋武:入試の面接でも皆さんにお聞きしていることですが、改めて中山さんが桑沢を選んだ理由を聞かせてください。
中山:僕は株式会社ブリヂストンでずっと企画職に携わっていて、世の中にプロダクトを届ける立場として積み上げてきたものがあるんですが、実際にモノをつくるのは職人さんや技術者、デザイナーさんといった人たちです。自分がイメージしたものを自分でつくれないもどかしさがずっとありました。
単身で海外に駐在していた頃、時間にゆとりがあったので3Dプリンターを買って試しに造作を始めたら、自分でつくりたいという思いがどんどん強くなったんです。帰国して働きながら学べるところを調べたら、そもそもそういう学校があまりないんですね。桑沢なら歴史もあるし、偉大なデザイナーとして知られている卒業生の方々もいるので受験しました。会社でも桑沢出身のデザイナーの方と仕事をする機会があって、その方から刺激を受けたことも選んだ理由の1つです。
喜屋武:面接でも聞かせてもらいましたね。
中山:はい。僕は今、会社でソフトロボティクス事業に携わっています。コア技術であるゴム人工筋肉の柔軟な特徴を活かし、周囲の人やモノとなじみながら振る舞う「やわらかいロボット」を生み出し、新たな意味・価値を世の中に届けています。現在はロボットハンドを商品化し、器用なピッキング作業の自動化が求められる物流や製造業で展開しています。そのコンセプトモデルの製作でご一緒したTAKT PROJECTのデザイナーさんの影響も大きかったです。帰国した直後にお会いして、やっぱり僕もプロダクトデザインをちゃんと学びたい! と思ったんです。
喜屋武:夜間部は中山さんのように働きながら通っている人も多いです。僕も夜間部の出身なんですが、昼間働きながらだと楽ではないですよね。前期・後期と毎週のように課題があります。必然的に学校が終わってからの時間を使うことになると思うんですけど。
中山:もちろんそうなりますし、週末も制作に充てています。授業は週3回(火・木・土)ですが、最近は授業がない日もほぼ毎日来て工作室で作業をしています。夜間部PDの学生はだいたいそんな感じですね。
喜屋武:平面のデザインと違ってPDはモノをつくらないといけないですからね。自宅でパソコンを操作するだけでは完結しないから、来なくちゃならない。だからPDは働きながらでも課題をこなせるように、授業は無理のないカリキュラムを組んでいます。
中山:働いていると仕事に集中したいときと、デザインに集中したいときとの波があるので、たまに両立が難しいと感じることもありますが、きついと感じることはありません。むしろ楽しいです。仕事で関わる人から受ける刺激と、学校で得る刺激が交差していく瞬間があって、そこに面白さがあります。
喜屋武:今のクラスは10代から30代の人たちが一緒に学んでいて、上と下では一回り弱も違う。年齢だけでなく、大学を出たばかりの人や、社会人経験者など、夜間部にはいろいろなバックグラウンドの人が集まってくる。その人たちが同じ課題に取り組んでプレゼンテーションしたり、意見交換したりして、すごく面白い空間になっていますね。
中山:面白いですね。全く違う人同士がこれだけたくさんいる空間っていうのは、なかなかないです。会社では組織の思想がベースにあるので、自ずと視点が近くなってきますし。
喜屋武:毎年のようにメンバーがユニークで面白いのが夜間PDの特徴だと思います。課題以外の作品の制作に関する相談を受けることも多くて、コンペにもみんな積極的に取り組んでいる。すごくいいことだと思います。授業以外の作品もどんどんつくって欲しい。そうすれば就活の際のポートフォリオも充実します。
中山:工作室に行って他の人がやっているのをチラッと見ると、絶対に課題じゃない(コンペに出すための作品など)訳のわからないものをつくってるじゃないですか(笑)。そこにまた刺激があるんですよね。
喜屋武:中山さんは入学して間もないうちに「第16回シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」に応募し、「F!nd!t」という作品でグランプリを受賞しましたね。改めておめでとうございます!
中山:ありがとうございます。正直なところ、全然通ると思っていませんでした。
※「第16回シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」:主催/一般社団法人未来ものづくり振興会特別協賛/シヤチハタ株式会社
「思いもよらないしるし」をテーマとし、しるしの概念の根底に立ち返ることで生まれる価値や、見落としていたしるしの意味に気づかせてくれるような存在、そんな本質的な驚きを感じられるしるしを表すアイデアを募集。国内外から過去最多となる1287点の応募があり、9点が受賞作品として決定した。
喜屋武:モデルは何でつくったんですか?
中山:3Dプリンターです。前期の授業で先生に教えていただいたモデリングの知識を生かして、最後は自分で研磨してプリントの跡が残らないようにしました。
喜屋武:コンセプトとしてはUI、UXの要素が強い印象でした。
中山:似たようなアイデアは毎年たくさんあるんですって。けど、実用化・商品化が難しい作品が多いんだそうです。僕の作品はモノとしてすごくシンプルで、デジタルアイデアも入っているんだけれど、自然な心の動きを拾える。行動も含めて一貫して考えられていて、モノとして良いと思っていただけたようです。
喜屋武:中山さんはアプローチがとてもユニークなんだよね。自分で造形のテーマを考えてモデルをつくる〝スピードシェイプ〟という前期のモデリング授業でも、「それ、どうやって形にします?」というテーマを持ってきて。形容詞などから造形テーマを設定する人が多いなかで、たまに中山さんのようにストーリー性をテーマに持ってくる人がいるんですよ。あの課題は苦労したようだけど、何とか形になりましたね(笑)。前期は基礎としてスケッチ、製図、モデリングを集中的に学んできましたが、後期はいよいよ前期で学んだスキルを使い作品制作をするデザイン実習課題がメインになります。中山さんにとっては、後期からが「やっと来たな」という感じじゃないかな?
中山:いやいや、前期からガンガン来てます(笑)。以前は「こんなものがあったらいいな」というイメージがあっても自分でつくれないもどかしさがありました。今は仕事を通じて、第一線で活躍するデザイナーさんと一緒にスケッチワークをさせていただいたり、製図を見ながら議論させていただいたり。それだけでもすごい進歩だと思います。
喜屋武:プロダクトデザインは単にモノに形を与えるというだけではなく、どういう機能を与えるかということも非常に重要だと思います。授業で学んでいることと、実際に仕事として関わっているプロダクトデザインに違いを感じるところはありますか?
中山:デザインの思想という面では基本的に違いはないと思います。会社ではゴム人工筋肉というテクノロジーがベースにあって、それを世の中に広げていくうえでデザイン的な視点を取り入れるんですけど、授業ではシンプルに自分が1つのテーマにどう向き合っていくかを考えてプロダクトにアウトプットしていくという、視点の違いがあります。学校の課題ではあくまでも自分が主軸となって向き合っていくので、組織的な視点との違いを行き来する面白さがあります。
喜屋武:桑沢で学んでいることを今後どう活かしていきたいですか?
中山:通い始めてまだ1年もたっていませんが、桑沢に入ってから見えてくる世界がどんどん広がっていて、グラフィックデザインやコミュニケーションデザインなど、他にも学びたいことがどんどん出てきています。個人的にも何かをつくることをずっと続けていきたいと思っているので、学んだことをそこに活かしていきたいと思います。
桑沢デザイン研究所夜間部 在校生 中山大暉さんの作品
■「第16回シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」グランプリ受賞作品「F!nd!t」
出会いの瞬間の「お!」をしるせるデバイス。自転車での移動中に見つけた、いい感じのカフェ、素敵な景色など、心が揺さぶられた瞬間に「!」ボタンを押すだけで、急いでいても両手がふさがっていても、その場にしるしを残せる。連動するアプリ上には自分だけの地図ができあがる。今回は中村勇吾氏、原 研哉氏、深澤直人氏、三澤 遥氏の4名の審査員、ゲスト審査員の武井祥平氏、特別審査員の舟橋正剛の計6名で審査。定型のプレゼンシートによる一次審査、プロトタイプによる二次審査を経て、1,287点の中から選ばれた。
■モデリングの授業"スピードシェイプ"で制作した作品
「飛行機の中で礼拝する人のモーメント」
"スピードシェイプ"は、面と線を理解するための制作課題。海外駐在中に見かけた印象的なシーンとして、飛行機内で礼拝をする様子をテーマとした。「現代における礼拝のなかで最も高速のモーメント」として、スケッチを元に粘土で模型をつくるなど試行錯誤を重ねて形にした。
1954年に設立された、日本初のデザイン学校。ドイツのバウハウスをモデルとして発足して以来、そのカリキュラムは常に時代を反映してきた。夜間部は、2年間という短い期間でありながら、専門課程にふさわしい「教育水準の高さ」を維持した教育内容で、働きながら学びたいというニーズにも応える。学校見学・オンライン個別相談会も随時開催している。
桑沢デザイン研究所 夜間部
◎専攻デザイン科<夜間部2年制>
ビジュアルデザイン専攻/プロダクトデザイン専攻/
スペースデザイン専攻/ファッションデザイン専攻
所在地
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-4-17
お問い合わせ
TEL 03-3463-2432(進路支援課)
学校ホームページ
URL https://www.kds.ac.jp/
2024.02.14
消費者との重要なタッチポイントであるパッケージデザインは、
ブランディングにおいて最強のツールとして機能し、ブランドの印象に直結します。
ブランドの世界観を消費者に伝えるために、クリエイティブディレクター、アートディレクターは、
パッケージデザインをどのように設計しているのか、
本書では、第一線で活躍しているクリエイティブディレクター、アートディレクター25名(組)
による仕事を、本人による解説とともに掲載。
ブランディングという言葉が経営戦略の要として語られる時代、
ブランド要素をどのように最適化してデザインに落とし込んでいるのか、
その思考や戦略、アイデアを余すところなく紹介しています。
「ブランドの魅力を伝えられるパッケージデザインを作りたい」
「ブランディングの観点からパッケージデザインを学びたい」
「アートディレクター、クリエイティブディレクターの思考や手法を知りたい」
という方に、おすすめの1冊です。
【目次】
【編集者プロフィール】
デザインノート編集部
『デザインノート』 を制作する、デザインに関する知見が高いスタッフにより構成された編集部。
【書籍概要】
書 名:愛されるブランドのパッケージデザイン
編 集:デザインノート編集部
仕 様:B5判、352ページ
定 価:4,400円(税込)
発売日:2024年1月12日(金)
ISBN:978-4-416-52388-9
【書籍のご購入はこちら】
誠文堂新光社 書籍紹介ページ:https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/84745/
【書籍に関するお問い合わせ先】
株式会社 誠文堂新光社
〒113-0033 東京都文京区本郷3-3-11
ホームページ:https://www.seibundo-shinkosha.net/
Facebook:https://www.facebook.com/seibundoshinkosha/
X:https://twitter.com/seibundo_hanbai
新進気鋭のアーティストのアート作品の展示、アート作品からインスピレーションを受けた創作スイーツやギフト商品。それらのきめ細やかなデザインに高い美意識が漂うスペースが新宿駅構内にオープンした。「Rand15」と名付けられた新事業として、このスペースのアートディレクションを担当した株式会社リンワン(以後リンワン)のアートディレクター・中島望さんに、ありったけの思考と表現を注ぎ込んだオープンまでの取り組みを伺った。
新宿駅東口地下1階の一角に小さなカフェがある。2023年10月20日にオープンした「NANATEA&Tsutsumiルミネエスト新宿店」だ。おしゃれなカフェスタンドという佇まいに遠慮せず、斬新な現代アートが展示されている。これらがしっかり調和しているので、今まで味わったことのない居心地を体感できる。常に慌ただしく人々が行き交う新宿駅に「忙しい日常から15分でも心の余白を感じられる場所」というコンセプトをもとに、リンワンが運営する既存のイベントスペース事業「Rand」に「15」を加えた新事業「Rand15」が同店のオープンを実現させた。そのコンセプトワークやアートディレクションを担当した中島望さん。実は、美大卒業後、新卒入社6か月目。お店のビジュアルに関わる製作や、キュレーションをはじめとしたアーティストとのやりとり、販促物やパッケージのデザイン・制作、SNS投稿まで、そのほとんどを担っているから驚かされる。アートとカフェの融合という事業コンセプトは既に決まっていたとはいえ、短期間で多くのアイテムを仕上げていくことは熟練者でも容易くない。
アートディレクター・中島望さん
「まず始めに弊社の既存のカフェの店員から始めました。週に何回かお店に立ち、お客さんの属性、反応、繁忙時間、人気メニューなどあらゆるリサーチをしました」。もともと店員としてバイトをしながら、メニューやPOP等をデザインしていたことが評価され、入社のきっかけとなったこともあり、スムーズに取り掛かれた。店舗でのリサーチやアートディレクションと並行して、アートのキュレーションも始めた。「創造性が出会う場所」というもう一つのコンセプトも中島さんが考えた。2か月ごとにアーティストと展示作品、それにともなった限定ケーキとギフト商品のパッケージを入れ替えていくことでコンセプトを具体化させることとなった。第一弾のアーティスト・本橋孝祐氏。リンワン代表取締役、崔萌芽氏のお墨付きだったが、作品のずばぬけた発想と表現力、説得力あるコンセプトワークの秀逸さだけでなく、本橋氏の素晴らしい人柄にこの事業の成功を確信できた。本橋氏の杉の木を使った作品「MATRIX」シリーズから2点を展示。別々の時間軸が存在することの象徴「年輪」を用いて、異なる存在が一つに調和する様を表した作品である。小さくかわいいカフェが刺激的なアートに出会える場所となった。本橋氏のアート作品からインスパイアを受けたスイーツをパティシエがデザイン・制作した。モチーフの「年輪」と「異なる存在」を想起させる様々な素材を使用し、食べ進めていくごとに味のバランスが変化するガトー。アーティスト、パティシエ、アートディレクターの3人の共創により独創的なスイーツができあがった。「今後、アーティストが変わるたびにアーティストと弊社のパティシエと3人で話し合ってオリジナルのスイーツを開発していきます」と中島さんは新たなスイーツの共創に期待感を高めている。
創作スイーツ ère couche(エルクーシュ)
ギフト商品パッケージ コーヒードリップバッグ4種セット
ギフト商品パッケージ&ボトル 日本酒3種ギフトセット
スイーツ以外に店内のデザイン、食器、ギフトのパッケージ、ロゴの一部分などもデザインした。これらは共創ではなく、一人での孤独な作業だが、代表取締役の崔氏や上司の助言をもらい、お客様の需要や制作する販促物の目的に対してコミットできるか、世に出すものとして、自社のブランドとして適しているかなど、あらゆる点を踏まえながら、最適な表現に導いていった。「期間ごとに変化するアートの良さが最も際立つように、店内やパッケージなどはシンプルで洗練されたテイストで、かつ美術館やギャラリーにはない暖かさも意識してデザインしました」ロゴや食器なども併せて監修したことで、全体に破綻のない統一感が生まれた。
アートとカフェを融合させる。この施策の目的は、リンワンの不動産事業として、まず商業施設や空きスペースにテナントとして入り収益化させる。そこで企業のアート誘致事業を実現させ、同時に地域活性化をも狙う。日本のアートビジネスを盛り上げるとともにアーティストの支援を行っていくことだ。日本人にとってアートを購入して部屋に飾るという文化レベルはお世辞にも高いとは言えない。住宅事情もあるが、そもそも日常にアートを体感できる場が少なく、身近にアートを伝える人もいない。そのためアートの本質的な魅力や価値が理解しづらいのかもしれない。「世代、性別、職業などのバックグラウンドは何も関係なく、さまざまな人が立ち寄ることができる、アートに出会える場所が必要だと思います。ここでは、カフェによくあるインテリアのようなアートの展示ではなく、アートをもっと見たい、もっと知りたいという感情を刺激するような場所になればと考えています。アートの価値を感じていただき、作品を購入する。そんな人がもっと増えたらといいなと思っています」世界一乗降者が多いといわれる新宿駅の構内。年齢、性別、職業だけでなくあらゆる人生観、価値観を持つ多種多様な人々が行き交う場所だけあって、新たなアートとの刺激的な出会いの場所には最高の立地だ。
客席のカウンターには、店内に展示する作品を購入することができる旨を伝える案内も設置されている。ただ、本橋氏の作品のひとつは既に売却済だった。「ここで作品をご覧になられた方が写真に撮ってSNSにアップした投稿を見た方が購入したんです」そういう時代だ。この場所が購入の現場でなくていい。ここでアートを観た人々が刺激を受け、SNSで思い思いに拡散する。美術館やギャラリーよりカフェの方が気軽に拡散してくれるのだ。学生時代に半年間イギリスの大学に留学していた中島さん。そこでは、毎週夜にスクールのアトリエが解放され、学生が集まって、飲みながら作品を講評しあったりしていたそう。「このカフェもアーティストやアートに関心を持つ人、持つようになった人が集まって、美味しいドリンクやスイーツも味わいながらアートを鑑賞する。そんなコミュニティが出来上がると、もっとアートを取り扱うお店、ブランドとしてもこの場所の価値が上がると思います」入社半年で成し遂げたこのスペースの仕事はまだまだ始まったばかり。これからもアーティストのキュレーションやアートディレクションに追われる日々は続く。この先、大学で学んだアートのキュレーターになることや、作品を作ってアーティスト活動をするという夢もかなえたい中島さん。自身の作品がこのスペースに展示され、売れる瞬間に立ち会う日はそう遠くはないはず。
【初回展示アーティスト】本橋孝祐氏
プロフィール
1989年兵庫県生まれ。立命館大学卒業。幼少期の阪神淡路大震災の経験から社会学・社会心理学を学び、3.11支援活動や国連インターンを経てアーティスト活動を開始。
現在東京を拠点に活動。主な展覧会に「Eternal Finite(MIAKI Gallery、東京)」、アートフェア「Art on Paper(NYC)」。受賞歴に「Contest in New York(Ashok Jain Gallery)」など。また関西国際空港でのアートディレクションなど、パブリックプロジェクトにも積極的に取り組んでいる。
【展示作品】
MATRIX(5×5,gold) H530×W530×D40mm.
金箔、硫黄、杉/Gold leaf,sulfer on Japanesecedar wood
2023
MATRIX-LIFE LINE(1×15,gold) H100×W900×D40mm.
金箔、杉/Gold leaf on Japanese ceder wood
2023
「そうだ 京都、行こう。」のキャッチコピーおなじみの観光キャンペーンは、今秋で30 周年を迎えた。人々の記憶に浸透し、京都へ足を向けさせてきたこのキャンペーンは、1993 年の秋にスタートしてから、美しいビジュアルや〝My Favorite Things(マイフェバリットシングス)〟のジャズのリズムにのせて、あらゆる京都旅行の楽しさや価値を伝えてきた。このキャンペーンを実施してきた東海旅客鉄道株式会社( 以下、JR 東海) が、長きにわたる利用者の人たちに感謝の意を込めて、奥深い歴史と文化に裏打ちされた魅力と輝きを1 年かけてあらゆるスタイルで幅広く展開していく。
■「そうだ 京都、行こう。」30 周年展
30 年分のキャンペーンポスターの展示と「そうだ 京都、行こう。」オリジナルグッズ(オリジナルマグネット等:各日数量限定)がもらえる巨大ガチャを設置。
・期間:2023 年10 月16 日( 月) ~ 29 日(日)
・場所:東京駅イベントスペース(八重洲コンコース・八重洲中央)
■アドトレイン
JR 山手線1 編成を貸し切って、過去30 年間の秋のキャンペーンのポスターとCM 動画をまとめて掲示、配信する。
・期間:2023 年10 月16 日~ 31 日(火)
■オリジナルポスターが作れる。
特設サイトにて「そうだ 京都、行こう。」のオリジナルポスターを作成できる。自身で撮影した京都でのお気に入りの写真にオリジナルのコピーを「そうだ 京都、行こう。」のロコを掲載できる。また、SNS で「#あなたのお気に入りの京都」キャンペーンを実施。自身で作ったオリジナルポスターを制作理由とともに、「#あなたのお気に入りの京都」をつけてSNS(X(Twitter)、Instagram)に投稿すると、投稿作の中の数点が特設サイトや京都駅などで紹介される。
期間:2023 年10 月20 日(金)~ 12 月17 日(日)
■厳選された過去のポスターで作成した「そうだ 京都、行こう。」カレンダー付旅行商品限定販売
過去にキャンペーンで使用した148 枚のポスターの中から、JR 東海が12 枚を厳選しカレンダーにした。東海道新
幹線と宿泊、カレンダーがセットになった旅行商品を限定販売。
・:2023 年10 月下旬~ 11 月(金・土・祝前の宿泊を除く)
設定期間 2023 年12 月~ 2024 年1 月(12 月28 日~ 1 月8 日出発(宿泊)を除く
・販売開始:2023 年10 月中旬~
・販売方法:「EX 旅パック」
・旅行代金:後日特設サイトにて告知
■京都の12 寺院とコラボした「限定オリジナル御守り」&拝観券販売
過去のキャンペーンの舞台となった寺院とコラボし、限定デザインした「そうだ 京都、行こう。」オリジナル御守りと拝観券をセット販売。御守りは毎月1 種類(全12 種類)の全て違ったデザインで順次販売予定。表面には寺院や季節をモチーフとしたデザイン。裏面は寺院から直筆でいただいたお言葉を刺繍されている。
・発売期間:2024 年1 月より、毎月順次発売予定。
・発売開始から3 か月間発売予定(なくなり次第終了)
※発売開始の1 か月前から予約受付開始予定
※例)2024 年1 月に発売する御守りは2024 年3 月末まで発売予定。
(2023 年12 月予約受付開始予定)
・対象寺院:1 月 建仁寺、2 月 龍安寺、3 月 仁和寺
4 月以降は随時7 告知
・販売方法:「EX 旅先予約」「EX 旅パック」
・旅行代金:後日特設サイトにて告知
■京都の歴史文化を未来につなぐ取り組みにかかわる旅
京都では、歴史や文化を未来につなぐあらゆる取り組みが、数多く行われている。30 周年を機に、これらの取り組みに参加できる旅行商品を販売。京都を次の世代に継承するということに楽しんで参加できる価値ある旅になる。
〇第一弾
【日時】2024 年1 月以降実施予定
【場所】安祥寺
【内容】長きに渡る荒廃から復興を目指す安祥寺の復興プロジェクトとして、庭の作庭(苔、植樹、砂引)を体験。
このほか、上賀茂人者(「葵祭に欠かせない装飾品「葵桂」奉製作業への特別参加。※ 2024 年5 月実施予定」をは
じめ、様々な旅を予定。
詳細は、特設サイト(https://souda-kyoto.jp/other/30th/)等にて
]]>学校法人瓜生山学園 京都芸術大学(京都市左京区)が、2024年4月、"国内唯一"※完全オンラインで「食」を学ぶ芸術学士課程「食文化デザインコース」(正式名称:通信教育部芸術学部デザイン科食文化デザインコース)を開設。食を文化芸術ととらえ、食に関わる幅広い知識と感性を磨く学びを提供し、身の回りにある価値や魅力に気づき、創造力豊かに"食の力"で自分と周りの人、ひいては社会を幸せにできる人材を育む。
※出典:令和4年度全国大学一覧(文部科学省)2023年8月調べ
■コース概要
食を「ライフ」(食と文化、食と社会)「ビジネス」(食とプランニング、食とプロデュース)「体験」(食と理論、食と感性)の3つの側面から領域横断的に学びます。座学で食の幅広い知識と共に様々な食の現場や人と繋がるリアルな学びに触れ、自宅のキッチンや食卓をアトリエとして試してみる。日常で学びと実践を繰り返し、食を通じて人や自分を幸せにする企画力や創造力へと繋げていきます。
・大卒資格(学士)取得可能
・通学不要
・編入学可能
■今後について
コース詳細・カリキュラム・学費および担当講師等の発表は、2023年9月22日(金)14:00から「食文化デザインコース発表会」にてオンライン(YouTube Live)で配信します。特設サイトから最新情報をご確認ください。
■食文化デザインコース特設サイト
https://tenohira.kyoto-art.ac.jp/foodculturedesign/
京都芸術大学通信教育部 https://www.kyoto-art.ac.jp/t/
1998年開設。会社員、主婦、定年後など、あらゆる立場や職業の人々が、北海道から沖縄、海外からも集う、日本で初めての4年制の通信制芸術大学です。社会人にとって学びやすい学習用Webサイト「airU(エアユー)」を整備し、時間や場所を選ばずに学ぶことができる仕組みを整えています。また、20年余りの実績を持つ細やかな添削指導も特長の一つです。
学科編成:4学科16コース(芸術教養学科、芸術学科、美術科、デザイン科)
在籍者数:16,044名 ※通信教育部芸術学部 正科生、2023年5月1日現在
自分では良いと思っていても、SNSに投稿したイラストに、なかなか「いいね」をしてもらえない、フォロワーが増えないなどの悩みはありませんか?
どんなにかわいく描けていても、要素を盛り込み過ぎたイラストや、シチュエーションが分かりづらいイラストなどは、見る人の共感を得られずに、スルーされてしまうことがあります。
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【著者プロフィール】
神吉 李花(かみよし・りか)
漫画家/イラストレーター/Live2Dデザイナー。コミカライズ案件を中心に漫画案件、イラスト、Live2D案件多数。非常勤講師として専門学校と大学での漫画、Live2D講義の担当経験あり。にじさんじ「鈴木勝」キャラクターデザイン担当。
【書籍概要】
書 名:"推され"キャラクターイラストの描き方
著 者:神吉 李花
仕 様:B5判、176ページ
定 価:2,200円(税込)
発売日:2023年9月12日(火)
ISBN:978-4-416-62306-0
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<この記事はデザインノートPremium 最強のロゴデザイン / イラストノート Premium マテウシュ・ウルバノヴィチの手描きの技「夏の美術学校特集2023」の抜粋です>
30年以上にも及び産学官連携による社会実装を行ってきた多摩美術大学だが、近年ではサステナビリティ(CSR)に代表される時代の要請にも積極的に答え続けている。
2021年からは企業5社との循環型社会に向けた共創プロジェクト『すてるデザイン』が注目を集めている。2023年1月には『すてるデザイン~ゴミを価値に変える100のアイデア展』を開催。11日間で3千人を超える来場者があり、この取り組みへの関心の高さが伺えた。
3月の『ポケモンと考える アート・環境教育展』では、学生達が身の廻りのモノで作ったポケモンが展示され、小学生~大人までがアートと環境問題を一緒に学ぶ機会となった。
4月から日本郵船株式会社とのプロジェクトが始まり、サーキュラーな社会における大型船舶船員のユニフォームのデザインに取り組んでいる。また、2022年12月には、気候変動をテーマにした学生デザインの期間限定トレイマットが、世田谷区内のマクドナルド全店舗で使用された。6月にはサーキュラーをデザインの視点から捉え直すだれでも受講可能な講義『Tama Design University - Circular Design』が実施された。持続可能な社会の実現に向けて、さらに新たな計画も進行中だ。
多様性を重視し、新たな価値を創造する人材を育てるため、さまざまな取り組みを行っている多摩美術大学。たとえば、2018年から始まった『Connecting Wool』は、4年間のオスロ国立芸術大学との国際協同教育プロジェクトである。人物相互派遣により、ノルウェーのワイルドシープの毛の新たな活用研究とデザイン提案を混成チームで行い、学生の国際的視野を培ってきた。コロナ禍を経たものづくりの意味を今一度問い直し、3月にノルウェー大使館で成果を発表した。
同じく3月には、東京工業大学・一橋大学と発足した価値創造人材育成プログラム『Technology Creatives Program』の第1期プログラム修了を記念して「探索モジュール」展示を実施。テクノロジー、クリエイティブ、ビジネスそれぞれの観点を俯瞰・統合する試みは、産業界からも注目されている。
また、2018年から早稲田大学・滋賀医科大学と行ってきた『ヘルスケア×デザイン×ビジネスモデルによる価値創造講座』を今年度も実施。選考を突破した学生たちが、チーム制で新たな事業の創出にチャレンジする。多摩美だからこそつく課題の発見力と解決し実行する力。グローバル企業やコンサルティング会社などからも注目を集めさらに活躍の場を広げている。
「TAMA DESIGN UNIVERSITY」 4万人以上が視聴した「TAMA DESIGN UNIVERSITY」の第二弾のテーマは「サーキュラー」。
マクドナルド×世田谷×多摩美術大学 マクドナルド、世田谷区と行った「気候変動」について考え環境に配慮した行動を促すプロジェクト。
「ポケモンと考えるアート・環境教育展」 アート教育の育む感性や創造性と環境教育とを一緒にポケモンを通して学んでいく機会を提供。
『Technology Creatives Program』 東京工業大学・一橋大学と発足した価値創造人材育成プログラム修了記念の展示を実施。
国際協同教育プロジェクト「Connecting Wool」 ノルウェー大使館でオスロ国立芸大との協同研究成果を発表し、秋にはオスロ国立美術館で展示。
1966年4月に入学定員120名で開学した東京造形大学。現在でも1学年の入学定員が380名という徹底した少人数教育を行い、学生一人ひとりに向き合う教育を大切にしている。
造形学部の学びの軸となるのは、グラフィックデザイン、写真、映画・映像、アニメーション、メディアデザイン、室内建築、インダストリアルデザイン、テキスタイルデザインの8つの専攻領域を有するデザイン学科と、絵画・彫刻の2専攻領域から構成される美術学科である。
それぞれの学科では、実践的に技能を究めていく専門科目に加え、学科や専攻領域の枠を超えて自由に学ぶことのできる横断的科目が用意されている。前者を〝深める〟授業だとすれば、後者は〝広げる〟授業だといえるだろう。
特に専門の異なる教員や学生が交流しながら授業が展開される「ハイブリッド科目」では、環境問題や持続可能性と造形との関係についても学習。社会から求められる専門分野以外の視点や発想を身につけることができる。
国際的なアワードである「レッド・ドット・デザイン賞2022」を受賞した東京造形大学のブランドムービー。そこに表示されるタグライン「だれかで終わるな。」には、一人ひとりの個性と能力を引き出し、社会を変革する人材を育成する思いが込められている。
ブランドムービーは「だれかで終わるな」SPECIAL SITEから視聴ができる(https://www.zokei.ac.jp/darekadeowaruna/)。
東京造形大学が求めているのは、固定観念にとらわれず、自由で柔軟な考え方のもと、さまざまな社会課題を解決しようとチャレンジする学生だ。
新たな取り組みの一つが、2021年度入試からデザイン学科の一般選抜入試に導入された「発想力」に関する実技試験である。文章や絵の巧拙ではなく、発想が純粋に評価される点が話題となった。与えられたキーワードから作品や企画、製品のアイデアを発想して文字とビジュアルで表現するこの試験により、普通科の高校生たちへも広く門戸が開かれたといえるだろう。
こうした「発想力」の実技試験が導入された背景には、以前より東京造形大学がリアルな社会課題に向き合ってきた歴史がある。産学官の協働で進める多種多様なプロジェクトでは、いろいろな分野において、デザインやアートの知見や技術が必要とされている。
たとえば、2022年から実施されている東京都八王子市の八王子消化器病院における「癒しの壁画」プロジェクトもその一つだ。これは放射線科フロアの廊下に、学生が考案したホスピタルアートを設置するというものである。
個であれ、自由であれ―。一人ひとりの才能を、社会を変えていく力に。東京造形大学は、あふれる情熱と創造力で、挑戦を続ける君を待っている。
今年、創立100周年を迎えた東京工芸大学。その芸術学部は、アートとテクノロジーの融合である「メディア芸術」を学生に教え、才能を開花させることを使命としている。写真や映像、デザインやインタラクティブメディア、アニメーションにゲーム、マンガなど7つの学科を持ち、優れたアーティストやクリエイターを多数輩出してきた。
なかでも、さまざまな分野のデザインのエッセンスを総合的に学び、そこから自分が目標とする4つの専門領域で、さらに深い教養と技術を身につけていくのがデザイン学科である。
グラフィックデザイン領域では、文字・色彩・構成という3つの基礎スキルをベースに、他媒体にも応用の効く骨太なデザイン手法の習得を目指す。イラストレーション領域は、広告、書籍の装画、キャラクター、ポスター、商品のパッケージなどに使われる、多様で幅広い「絵画表現」を学習することができる。デバイスや通信技術の発展と共に進化する映像情報デザイン領域では、情報の伝達とコミュニケーションを学ぶ。そして、空間プロダクトデザイン領域では、人・モノ・空間の関係性から、社会に体現する方法を模索していく。デザインの力で新たな価値を創造し、世界を変革する―。東京工芸大学で、自分だけの表現を磨いていこう。
配信やサブスクリプションの普及により、私たちの日常生活において、あらゆるシーンで目にするようになった「メディア芸術」。映画やアニメーション、ゲームや漫画など、日本発のヒット作品も数多く誕生している。
東京工芸大学の中野キャンパスでは、メディア芸術の創作に必要な、最先端の設備と環境が整備され、4年間にわたって、ジャンルを超えた作品の制作や研究が行われている。
世界中が注目を集める「メディア芸術」は、日本のエンターテインメント産業を支える重要なものだ。その学びは多種多様な仕事に結びついている。たとえば、日本だけをピックアップしても、コンテンツ市場におけるゲーム分野の成長は著しく、この10年間でほぼ倍増している。自己表現だけに留まらず、ビジネスマーケットとしても無限の可能性を秘めており、世界を舞台に活躍することも決して夢ではない。
アートとテクノロジーを融合させた最先端の「メディア芸術」を、東京というクリエイティブな都市で学ぶ。時代や社会の変化に細やかに対応し、新たな芸術表現を創造する―。常識を超え、未来をつくる人になろう。
課題制作の講評では、一人一人の作品を丹念に見ながら的確にアドバイスしていく。
]]>1967年の創立以来、半世紀以上にわたり、優れたグラフィックデザイナーやイラストレーターを数多く輩出してきた日本デザイナー芸術学院。2011年に開校した漫画家や小説家、声優を養成する日本マンガ芸術学院と併せて、それぞれ〝ニチデ〟と〝ニチマ〟という愛称で広く知られている。
両校が共通して掲げている教育方針が〝超・実践主義〟だ。クリエイティブ業界への就職を柱にしつつ、作家や表現者といったアーティストとして生きていく場合にも必要な知識や技術の習得、サポートを手厚く行っている。
大きな特長としては、どちらの学校にも、2年課程だけではなく、3年課程を選択できるコースが存在すること。また、3年課程には、午前中のみのカリキュラム編成〝AM授業〟に加えて、午後のみの〝PM授業〟を新設。空いた時間帯は、自主レッスンや作品制作、アルバイトなど、自分自身を成長させるための活動に費やすことができる。
好きなものに夢中になって取り組む時間があるからこそ〝ニチデ〟と〝ニチマ〟で学ぶ事柄が生きてくる―。一人ひとりのライフスタイルと将来のビジョンに合わせた柔軟なカリキュラム編成は両校ならではのもの。思う存分、夢に向かってトライしてほしい。
「ニチデの深化、ニチマの進化」というキャッチフレーズが示すように、日本デザイナー芸術学院と日本マンガ芸術学院の原動力は、伝統の力と先進性、そして、両校が干渉し合うことで生まれる多彩な取り組みである。
たとえば、今やどのクリエイティブにも欠かせないデバイスであるPCも、AO入学であれば、特典として高性能ノートパソコンやタブレットを提供。早くから業界に近い環境に慣れ親しむアドバンテージも期待できる。独自の奨学金制度やスキルアップ講座も受講可能なこともあり、約8割の学生がAO入学制度を活用しているという。
また、各業界の第一線で活躍する現役クリエイターが講師陣を務める授業は、現在と未来を見据えた実践的なものばかり。〝ニチデ〟のグラフィックデザインコースは、中部地区でもっとも長い歴史を持ち、過去10年間の業界就職率は、何と90パーセント以上。対する〝ニチマ〟も中部地区におけるデビュー実績はナンバーワンであり、プロとして世に出るチャンスを逃さないバックアップ体制の充実が伺える。ハイレベルな指導によって目的意識を高め、知識と技術をベースに揺るぎない実力を養う。それが両校に共通するキャリアデザインとなっている。
新たにスタートする「ICTデザイン・マーケティング学科」「モノ・コトづくり学科」「デザイン学科」。まずはウェブ専攻が今回独立し、「ICTデザイン・マーケティング学科」(ICTデザイン専攻)になった。単にウェブデザインを学ぶだけでなく、ICTとデザインを融合させ、新たなビジネス創出、UI・UXができる人材育成をするという。
「モノ・コトづくり学科」(グラフィック専攻・イラストレーション専攻・インテリア専攻・プロダクト専攻)は、今までの創造社の学びを一番色濃く残した学科だ。世の中に新しいモノ・コトを提案し、社会をウェルビーイングへと変えていく仕掛け人を育てるという。単にデザインができるデザイナーではなく、仕掛けていくという視点が面白い。デザインは単に手段であって、デザイン思考を使ってどう世の中を良くしていけるかが大切だと長年言い続けていることを実現する人材育成だ。
「デザイン学科」(グラフィック専攻・イラストレーション専攻・インテリア専攻・プロダクト専攻)は徹底的にデザインスキルにこだわる学科だ。今まであれば、授業時間数の差だけだった学科の違いに、カリキュラムの内容から評価基準まで、デジタルスキルを駆使した表現力を磨き、唯一無二のクリエイターを目指させるという。
挑戦的な言葉の裏には、創造社の覚悟も見えてくる。世の中の動きを見極め、新しく変わるのは容易ではない。創立56周年という歴史ある学校の新たな挑戦。しかし、そこには培ったデザイン教育のノウハウと常に前へ向かう挑戦する心がある。
AO入学特待生の奨学給付金の拡充にもその変化は見られる。学科ごとのスキル面に対する奨学金制度や2024年度から採用になったプロモーション入試特待制度。プロモーション入試特待制度は、本来のAO選考での面接の代わりに受験者自らがプロモーションアピールを10分間行う。まさに挑戦する意気込みを問われる制度だ。
入試担当者によると「本校が育成する人材は常に何かにチャレンジすることが問われます。だからこそ、新しいことにチャレンジする人を本校は求めるために導入した試験方法です。まずは挑戦する。その気持ちが入学後も必ずその人を後押しし、成長させてくると信じています」と語った。
挑戦し続ける創造社にも変わらないものもある。それは就職支援だ。時代の変化とともに卒業生たちもキャリアアップしていく。卒業するまでが就職支援ではなく、卒業後も続く「10年伴走キャリアプログラム」。すぐ先の未来だけでなく、5年・10年先の未来をもサポートする支援は健在だった。
東京デザインプレックス研究所は、新しいスタイルのデザイン専門校。未経験者も、経験者も含めて様々な受講生がプロを目指したり、スキルアップのために通学している。18才以上の社会人や学生などを対象とした学校で、「全日制(1年間)/平日夜/土曜/日曜/昼間部短期集中」と受講生のライフスタイルにあわせた時間帯のクラスを用意している。分野は「グラフィック/DTP」「WEBクリエイティブ」「空間デザイン」「クリエイティブデザイン」「デザインストラテジー」「UI/UX」など12専攻70コース。
クリエイティブ職の即戦力を養成する最先端の実践教育が行なわれている。表現力や感性を養うのはもちろん、グラフィックソフトなどの高度なデジタル対応スキルや、クライアント設定のある企画立案ノウハウなど、仕事現場で求められるスキルをバランスよく習得することが可能。講師は全員業界で活躍する現役クリエイター。少人数制・対面形式の授業により、受講生一人ひとりの理解度や進捗度を考慮しながら授業を進めていく。
「フリートレーニング制度」「再受講制度」「作品制作サポート」など受講生のスキルアップを支援する多彩なサポート制度を完備していることも大きな特長。また、個別就職相談を中心に未経験からの就・転職をバックアップ。求人情報提供を始め、書類作成アドバイスや模擬面接、ポートフォリオ作成ディレクションなどを個別に行なっている。現在、難関デザイン企業に内定者が続出。短期間での学習を考えている方には最適である。
通常授業の他に「プレックスプログラム」を実施。次世代デザイナーに求められる志向性やスキルなど10要素で構成されたワークショップ形式の授業で、受講生は受講開始から2年間、無料で参加できる。講師は第一線で活躍するトップクリエイター。近時も、野口孝仁氏や、内田喜基氏、古平正義氏、金谷勉氏、徳田祐司氏、山崎晴太郎氏、小玉文氏、佐藤夏生氏、太刀川英輔氏、石黒篤史氏、千原徹也氏、他が登壇。
また、ラボラトリー形式の課外活動も豊富。産学協同やソーシャル活動を通して、デザインを社会に実装していくプロジェクトを行う。これまでにも、SDGsデザインプロジェクトや、医療×デザインプロジェクトなど、実績は多数。課題に向き合い、可能性を創り出すデザイナーを目指す。
プレックスプログラムは、受講生が無料受講できる特別授業。第一線で活躍するトップクリエイターが毎回登壇。
修了生が数々のデザインコンペ受賞。JAGDA国際学生ポスターアワード金賞/髙田夏希さん。
特集:マテウシュ・ウルバノヴィチの手描きの技
大人気イラストレーター「マテウシュ・ウルバノヴィチ」の最新作、作画テクニック、作品への思い、取り組む姿勢など存分に味わえる。 ポーランド出身のクリエイター、マテウシュ・ウルバノヴィチは、イラスト、コミック、アニメーションなど多岐にわたる仕事を東京のスタジオ(コミックス・ウエーブ)を中心にこなしていました。2016年公開、新海誠監督の大ヒットアニメーション『君の名は』の背景画を担当し、一躍脚光を浴びることに。2017年独立後もその筆を振るい続け、自著『東京店構え』(エムディエヌコーポレーション)が大ヒットし、名実ともにトップクリエイターとなった。
同特集では、マテウシュ・ウルバノヴィチのタッチの特徴である手描き感あふれ、どこか懐かしい、作風の本質を探究します。最新作品はもちろん、そのメイキング、インタビューをまじえてマテウシュ・ウルバノヴィチの手描きの世界が存分に堪能できます。
■マテウシュ・ウルバノヴィチ
コンセプトアーティスト、デザイナー、イラストレーター。学生時代からフリーランスでゲーム、アニメを中心にコンセプトアーティストとして活躍。主な参加作品は『FINAL FANTASY VII REMAKE』(スクウェア・エニックス)、『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』(創通・サンライズ)、『ヒプノシスマイク』(キングレコード)、『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』(WIT STUDIO)など。近年ではグッズイラストや広告、漫画、技法書、クリエイティブソフトの開発協力など、あらゆるメディアへ活動の場を広げている。
■目次
マテウシュ・ウルバノヴィチの秘蔵作品紹介ラインナップ
マテウシュ・ウルバノヴィチ ラフスケッチ集
マテウシュ・ウルバノヴィチの手描きの流儀(メイキング)
マテウシュ・ウルバノヴィチ インタビュー
発売日:2023年07月22日
定価(税込):2,420円
ISBN:978-4-416-62347-3
誠文堂新光社HP:https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/art/80655/
構成=野口真弥 Noguchi Maya 文=中山薫 Nakayama Kaoru 写真=モンジサチ Monji Sachi(NORS Photographica)
PROFILE
内野いずみ / Izumi Uchino(写真右)
IS NEAR代表取締役(共同代表)。JPDA日本パッケージデザイン協会会員。鹿児島県生まれ。九州産業大学造形短期大学部卒業後、福岡や東京のデザイン事務所でグラフィックやパッケージのデザインを多く手掛け、2013年より鹿児島県の種子島にて「案図舎」としてフリーランスで活動。2022年6月、一級建築士の夫・内野康平(写真左)と共に株式会社IS NEARを設立。
九州の種子島に本社を構え、福岡を拠点に事業を展開するIS NEAR。
夫婦で個別に運営していたデザイン事務所と一級建築士事務所を統合して誕生した。共同代表の内野いずみ(以下:内野)に、設立1周年を迎えての思いや今後の展望などを伺った。
商品開発から入っていけるパッケージデザインの仕事を続けるうちに、ネーミングやコピーなども任されるようになったという内野。IS NEARを設立したことで、さらに領域が広がっている。
「建物に付随したデザインはもちろん、店舗の名称やコピー、ロゴなど、ブランディングのご相談を受けるケースが増えてきました。『こんなことがやりたい』というぼんやりしたイメージを、言葉(コピー)やビジュアルイメージによって明確化すると、目的や意識が一つになりやすいと思います」
仕事をする上で明里が最も大事に考えているのが、クライアントへのヒアリングだ。デザインの力を必要としていても、具体的にどうしたいか明確なイメージを持っている依頼主は稀と言っていい。それでも根気強く対話を重ねて行くと、相手の頭の中で漠然としていたイメージが、次第に形を成して行くのが手に取るようにわかるという。
「デザインのことはわからないのでお任せします、という方もいます。でも例えばこちらから敢えて大きく振った提案をしてみたりすると、いやそれはちょっと、とか、感想や意見が必ず出てくるんです。それを糸口にいろいろ質問して相手の想いを引き出し、言語化していく。デザイナーには組み立てる力はもちろん必要ですが、まずはアウトプットの前に、相手の想いや課題を顕在化することが重要な役割だと思いますし、お客様が自分事として主体的に考えることに意義があると思っています」
建物に付随するデザインは、さまざまな顧客に長く愛されるものでなくてはならない。そのためには土地の歴史や文化を知ることも重要だ。さらに周辺の環境とも調和するデザインが求められる。
パッケージやグラフィックはターゲットを絞り込み、売り場や使われるシチュエーションなどを意識してデザインするが、「建物の場合はそうした手法を取ると一過性のもので終わってしまう」という。そのため、数値や分析から入らないよう常に意識している。
「現地へ行くと『この辺にこんなものがあると楽しくなる』『このくらいの大きさだと収まりがいい』といったイメージが湧いてくるので、それをベースにして、トレンド、顧客の目線、クライアントのニーズや好みなどを考慮し、本質を伝えるために最適と思われるものを形にしていきます」
サインを設置する位置やサインのサイズ、ロゴの太さ・大きさなども、現地でいろいろな距離や角度から見てイメージする。最終的に実寸でプリントして検証を行うが、感覚に基づいて試作したものと大きな誤差はないという。
「韓国のホテル"ULDOLSOLI"は日韓にとってやや複雑な歴史を持つ土地だったにも関わらず、コンペで選んでいただくことができました。言葉が通じない分、どういうターゲットにどう見せたいかを意識しました」
内野の思いは常に「デザインによって街や人が楽しくなる」ことに向いている。商品やサービスの本質が的確に伝わるようデザインすれば、それに響く人たちが集まって色をつけ、ブランドを育てていってくれる。さまざまな場所でそこにしかない物語が紡がれていくような仕事に、一生涯をかけて取り組みたいと考えている。
南九州市知覧町に2024年1月オープン予定。高槻電器工業株式会社が南九州市と立地協定を結んで手掛けている観光施設で、レストランと物販エリアで構成。
地産地消をテーマに、自社製品のLEDライトを活用して栽培するトマト「薩摩甘照」や、契約農家から仕入れる新鮮野菜などを使い、南九州ならではの郷土料理「スメ(蒸し料理)」を提供する。
料理のイメージを視覚的に伝えるロゴデザイン。今っぽさを感じさせるすっきりしたロゴ案を多く出したが、力強さを前面に出した案が選ばれた。センター合わせでもシンメトリーでもない、絶妙なアンバランスさにこだわっている(※ロゴは、オープンに向けて現在もディティールを調整中)。
【完成イメージ】
建物の設計から店舗のネーミング、サイン、内外装のデザインまで、総合的なブランディングを手掛けた。屋根を広く設けることで建物の中と外の境界線をあえて曖昧にしており、周りの景観に馴染む設計となっている。
韓国・右水営観光地の宿泊施設リニューアル。陸地側との間にある海峡・ウルドルモクを一望できる場所に位置する。2024年度に建設予定。
ロゴタイプもシンプルな形状で作成。また、○を◎で表現することにより、物理的な「渦」と感覚的な「 良質 」を表現している。文字の中にも少し隙間を持たせることにより、ULDOLSOLI での時間のゆとりと、音や風の通り道を表現している。徹底してバランスの良さにこだわり、数値だけで設計せず、鏡に映す、反転させる、パーツを減らしてみるなど、さまざまな検証を行い、微調整を繰り返して完成させている。
シンボルマークは、山と海と渦と音の波形モチーフに作成。より伝わりやすく、長く愛されるデザインになるようシンプルに仕上げた。少し空間を持たせることにより、音や風の通り道であることを表現。また無限の形を取り入れ、今までとこれからの歴史が永遠に続くことを伝えている。
【館内サイン】
館内のサインも内野が担当。現地のトレンドをリサーチしたうえで配色やフォントなどを決めた。場所の歴史の背景を建物の雰囲気に反映させるために、素材に鉄を使い、版築で施工することを提案。
- IS NEAR 自社運営の活動 -
IS NEARは宿泊施設やカフェの自社運営も行っている。企画・設計・ブランディング・デザインもすべて自分たちで手掛けている。宿泊施設はいずれも古い建物をリノベーションした一棟貸しタイプ。自社の仕事がきっかけで縁ができたカフェからコーヒー豆を仕入れるなど、人とのつながりもどんどん広がっている。
現在、福岡のオフィスとして使用しているビルを新たに1棟貸しのホテルとして2023年7月にオープンさせる予定。出張や観光の拠点として人気の高い中洲駅から徒歩5分と好立地。「建築とデザイン」をコンセプトに、いろいろな人が集まる場所にしたいと考えている。
併設予定のカフェで使うパッケージなども内野がデザインを担当(下・画像はイメージ)。
2022年制作。鹿児島県西之表市東町99。西之表港から徒歩10分。種子島空港から車で20分。古民家を改装した一棟貸しの宿。IS NEARが運営する1棟貸し宿泊施設の1つ。室内に配置するカードのデザインも、シンプルにまとめた。
設備情報はピクトグラムによって視覚で瞬時に理解できるようにし、コピーではあえてイメージのみを伝えることで興味を持たせ、想像が膨らむようにしている。
※この記事はMOOK「デザインノートPremium最強のロゴデザイン」の特集Creator in the Spotlightを再編集したものです。
2023.07.13
]]>特集:最強のロゴデザイン
トップアートディレクターのロゴへのこだわりと表現を研ぎ澄まされた仕事から徹底解説。
企業・団体・商品・店舗・自治体においてブランディングデザインが盛んに導入され、そのブランディングデザインにおいてなくてはならない要素のひとつが「ロゴ」です。既存の「ロゴ」を刷新したり、新たなブランドの「ロゴ」を制作したり。このような作業がブランディングデザインの現場では頻繁に行われており、その仕事数が近年急激に増えています。「ロゴ」制作において文字で表現するもの、企業・団体・商品・店舗・自治体などを想起させる何かの形をデザインするもの、ロゴとマークを組み合わせるという3つの制作アプローチがあります。特集では、それぞれの手法を巧みに使いこなし最適な「ロゴ」をデザインするトップアートディレクター、デザイナーを厳選し、彼らの最新の仕事から卓越したロゴへのこだわり、思考、作り方を徹底取材し解説する。
登場アートディレクター・デザイナー
佐藤可士和(SAMURAI)、水野学(good design comany)、新村則人(garden)、田中良治(Semitransparent Design)、内田喜基(cosmos)、増田豊(SUN-AD)、minna、佐藤浩二(コージィデザイン)、池澤 樹(STUDEO)、久能真理、永井弘人(アトオシ)、DRAFT inc.
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定価(税込)2,090円
発売日2023年07月13日
ISBN978-4-416-62348-0
誠文堂新光社HP:https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/art/80651/
]]>構成=野口真弥 Noguchi Maya 文=中山薫 Nakayama Kaoru 写真=梅田健太 Umeda Kenta
本業を持ちながら第2の活動をする人、キャリアチェンジや独立を目指す人なども通う桑沢デザイン研究所の夜間部は、昼間部での総合的な学びを凝縮させた専門性の高いカリキュラムとなっている。働きながら学んでいる在校生に、桑沢の特徴を聞いた。
【PROFILE】
山本 悠歩さん(写真右)
ビジュアルデザイン専攻 2年
神戸大学で芸術学を学んだ後、日用雑貨ブランドの会社に就職。総合職として販売に従事するなかで、パッケージ・デザインやブランディングに興味を持ち、転職を考えて退職。美大受験予備校でデッサンを学んだ後、桑沢デザイン研究所に入学。昼間は出版社のアルバイトで子ども向け電子書籍の運用を担当。
norimori さん(ペンネーム。写真左)
ビジュアルデザイン専攻 2年
舞台を中心とした俳優業を10年近く続け、新型コロナウイルスによる自粛期間中に転職を決意。本が好きでエディトリアル・デザイナーを目指して桑沢デザイン研究所に入学。昼間はデザイナーとして、舞台関係の公演チラシやパンフレットなど印刷物のデザインを行っている。
- I N T E R V I E W -
--桑沢の夜間部に入学する前は何をしていましたか?
norimori:高校卒業後、10年ほど舞台を中心に俳優業をやっていました。新型コロナウイルスの影響で自粛生活になったとき、将来について考える時間が増えたんです。私は本が好きなので、本の装丁やエディトリアル・デザインの仕事に就きたいと思い、桑沢を受験しました。たまたま親戚に桑沢の昼間部を卒業してデザイン事務所に就職した人がいて、学校のことを詳しく聞けたこともあって決めました。
山本:僕は大学では音楽、絵画、建築などの芸術が、社会でどう生かせるかを勉強していました。その延長で日用雑貨ブランドの会社に就職して2年間働いているうちに、商品のデザインやブランディングに興味が湧いてきたんです。
そこで退職して美大受験予備校に通い始め、デッサンを学んでいるときに、講師の方から桑沢のことを教えていただいたのがきっかけでした。
--実際に通ってみて良かったことを教えてください。
norimori:図書室の蔵書が充実していることです。本が好きなので、図書室も桑沢を選んだ理由の一つです。書店では手に入らないような国内外の専門書が好きなだけ読めるなんて、すごいことです! 学校に早く着いたときや、なかなかアイデアが湧いてこないときなどに行って、いろいろな本を開いて引き出しを増やすようにしています。
山本:僕も図書室はよく使っています。学校がアクセスのいい場所にあることも助かっていて、都内に住んでいなくても通いやすいです。しかも、近くにファッションブランドや雑貨のお店がたくさんあるので、パッケージの授業など、課題を制作するうえでもすごく参考になります。
norimori:確かにおしゃれなお店がたくさんあって、そういう街を歩いて感覚を磨くことも大事だなと改めて思います。
それと、入学前は知らなかったんですが、じつは国内外の著名なデザイナーや専門家が登壇する特別講義が割とあって、すごく貴重な経験ができています。パリを拠点に世界的に活躍している「M/M(Paris)」とか、普通ならチケットを取って話を聞きにいくような人が講師で来てくださるので。
--クラスの雰囲気はどんな感じですか?
norimori:私のクラスは10代から30代まで幅広くいて、社会人経験者が4割くらい。働きながら通学している人も結構います。みんな受験に合格して入ってきているので、モチベーションが高いです。
たとえば「箱をきれいに作る」という課題で、箱を作るだけでなく色柄までデザインした作品を制作してくる人がいたりするので、「やられた!」と思って、みんな次の課題への取り組み方が変わるんです。「求められている以上のものを作りたい」という意欲が湧いてきます。2年になってからは、さらにその空気が濃くなっているように感じます。
山本:僕のクラスも10代から30代まで幅広いです。社会人経験者が3割くらいで、20代半ばくらいがやや多め。個性が立っている人が多いかもしれません。課題に合った表現を考えるというよりも、もともと自分がやりたい表現があって、それをこの課題でどう出すかという視点で取り組んでいたり。
だから僕が思いつかない色合いで表現をしてたりするんですよね。そういう人とお互いに「どういう考えでそうなったのか」など意見交換をするのも勉強になります。桑沢の夜間部は専攻別に受験があるせいか、志を持って入ってきた人が多くて刺激し合えるのがいいですね。
--デザインを学んでみて実感することは?
norimori:担任の先生によって授業や課題の内容に若干の違いはあるにしても基本は同じで、1年目はデザインの基礎や考え方を学び、2年目はパッケージ・デザインや店舗のブランディングなど、現場の仕事に近い授業が多くなります。2年になってから1年で学んだ知識が生きてくるので、基礎の重要さを実感しています。
山本:1年次で学んだ製図やデッサンなどの基礎的な知識を2年次の商業デザインの課題で使えるので、いきなり商業デザインを学ぶよりも身になったと思います。
norimori:私は舞台関係の知人から頼まれてチラシやパンフレット、名刺などのデザインをしているんですが、勉強する前は「何となくしっくりこない」ということがあって。基本を学んでみたら、腑に落ちることがたくさんありました。
雑誌のレイアウトなどを見て、「こういう意図があって、こういう配置になっているんだ!」とわかるようになり、改めてデザインって面白いなと思うようになりました。
山本:きちんと学ぶ前、デザインは感覚の世界のものだと思っていました。でも美しい構図や配色には基本的なルールやセオリーがあるということを知って、センスは知識の後からついてくるものなんだとわかりました。こういう表現にはこういう色や形を使えばいいんだと引き出しが増えていくので、街を歩くときも広告などを見て、何をどうビジュアルで見せているか、意識するようにしています。
--桑沢で学ぶ面白さと、今後の展望を聞かせてください。
山本:僕はもともとペーパークラフトが趣味で、紙を切ったり貼ったりすることが好きなので、パッケージの課題が楽しいです。実際にやってみて、自分が好きなことは得意分野でもあるんだと改めて感じています。
広告のほうはアイデアがなかなか出てこないことがあるので、もっと引き出しを増やしていきたいです。
norimori:私はまだまだトライ・アンド・エラーで、パッケージや書籍のように紙の厚みがデザインに影響してくるものは、手を動かしながら学んでいます。図面はきちんとできているのに、作ってみたら厚さが2㎜分足りない!とか(笑)。実際に作ってみて厚みや見え方などを確かめるというように、手作業から学ぶことはとても多いです。
山本:僕は得意なパッケージ・デザインを仕事でもやりたいと思っています。ただ、できあがったパッケージをどう見せるか、宣伝するかなど、トータルなブランディングを考えることも必要なので、他の分野にも興味が湧いてきました。桑沢では分野を跨いだ合同の講義があったり、他分野の学生と触れ合う機会などもあるので、視野が広がったと思います。
norimori:印刷物のデザインはパソコンでできるイメージがありますが、印刷技術や紙の知識も必要で。印刷会社の紙見本を1枚1枚触ってみると、厚みや感触がちょっとずつ違うんです。使う紙によって印象が全く変わることを知ったので、最近は伝えたい内容に合わせて紙を選ぶようになりました。
卒業後はデザイン関係の会社に就職して、ゆくゆくは小さい子どもにデザインの考え方を教えられたら楽しいだろうと思います。
- W O R K S -
山本さんの作品
「和菓子処 山源堂」パッケージ・デザイン
和菓子屋のブランディングとして制作したパッケージ。山間の温泉街にあるような老舗というコンセプトで、店舗のネーミングやロゴ・マークも含めてデザインの方向性を考えた。歴史を感じさせる風格と、現代の観光客にも受け入れられるようなモダンさを兼ね合わせるため、外箱はモノトーンに箔押しのロゴを入れるシックなイメージに統一した。一方で箱を開くと、中には鮮やかな色合いと、水墨画のような風景イラストが広がり、お土産として持ち帰った先でも、その土地の世界観が共有できるように表現した。(撮影:山本)
norimoriさんの作品
「コーヒーショップ HONT COFFEE」パッケージ・デザイン
「書物のなかに海がある 心はいつも航海をゆるされる」(出典:寺山修司『寺山修司少女詩集 』)という言葉をコンセプトに、冒険の海に出るお供として、本とコーヒーの良い関係を提案するショップを想定して制作。ショッパーは本を引き抜く動作と同じになるように横から取り出す形にした。(撮影:norimori)
桑沢デザイン研究所 夜間部
1954年に設立された、日本初のデザイン学校。ドイツのバウハウスをモデルとして発足して以来、そのカリキュラムは常に時代を反映してきた。夜間部は、2年間という短い期間でありながら、専門課程にふさわしい「教育水準の高さ」を維持した教育内容で、働きながら学びたいというニーズにも応える。学校見学・オンライン個別相談会も随時開催している。
◎専攻デザイン科<夜間部2年制>
ビジュアルデザイン専攻/プロダクトデザイン専攻/
スペースデザイン専攻/ファッションデザイン専攻
所在地
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-4-17
お問い合わせ
TEL 03-3463-2432(進路支援課)
学校ホームページ
URL https://www.kds.ac.jp/
2023.07.14
■シブヤ・トーキョーカルチャーを牽引するアートディレクター千原徹也のアートワークとデザインロジックを一挙公開!
写真や文字を駆使した独自の世界観を発揮し、
東京・渋谷のクリエイティブを牽引している千原徹也。
広告媒体をはじめ、企業ブランディング、ファッション、Web、映像、舞台ブランディング、キャンペーン企画、CDジャケット、装丁・雑誌エディトリアル......。
挙げればキリがないほど多岐にわたるプロジェクトに携わり、
デザインを武器に縦横無尽に活躍の場を広げています。
話題になったドラマのポスターも、インターネットやテレビで見る広告も、
街頭広告も、昨年の大晦日の歌番組のロゴも、
千原が手掛けたアートワーク。
今年は、「映画制作をデザインする」をテーマに、
初監督を務めた映画「ICE CREAM FEVER」が公開予定(2023年7月14日)の、
日本で最も忙しい、今、話題のアートディレクターです。
では、なぜ千原がそれほどまでに求められているのか?
本書では、千原の「リアル」に迫り、デザインをテーマにさまざまな視点から切り取り、
クリエイティブの本質に迫ってみました。
スペシャル対談では、
千原徹也の人生に最も影響を与えたクリエイティブディレクター佐藤可士和氏をゲストに迎え、
「概念の創造とデザインの未来」について語っています。
普段覗くことができない、フォトディレクションの裏側やビジュアルのメイキングも公開。
千原徹也のアートワークとデザインロジックが詰まった一冊です。
【目次】
【著者プロフィール】
千原 徹也(ちはら・てつや)
アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表
1975年京都府生まれ。
広告(H&Mや、日清カップヌードル×ラフォーレ原宿他)企業ブランディング(ウンナナクール他)、CDジャケット(桑田佳祐 「がらくた」や、吉澤嘉代子他)ドラマ制作、CM制作など、さまざまなジャンルのデザインを手掛ける。
またプロデューサーとして「勝手にサザンDAY」主催、東京応援ロゴ「KISS,TOKYO」発起人、富士吉田市の活性化コミュニティ「喫茶檸檬」運営など、活動は多岐に渡る。映画「アイスクリームフィーバー」監督。
【書籍概要】
書 名:クリエイティブの裏技。
著 者:千原 徹也
仕 様:B5変判、256ページ
定 価:4,400円(税込)
発売日:2023年7月7日(金)
ISBN:978-4-416-62311-4
【書籍のご購入はこちら】
誠文堂新光社 書籍紹介ページ:https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/80631/
【書籍に関するお問い合わせ先】
株式会社 誠文堂新光社
〒113-0033 東京都文京区本郷3-3-11
ホームページ:https://www.seibundo-shinkosha.net/
フェイスブック:https://www.facebook.com/seibundoshinkosha/
ツイッター:https://twitter.com/seibundo_hanbai
今、多くの企業が「ブランディング」や「コンテンツマーケティング」を強化 し、ビジネス拡大を目指している。生成AIが盛り上がりを見せるなか、 「クリエイティブ」の重要性と難しさを多くの人が再確認している現在。効果的 に活用したいと考える企業も急速に増加中している。そのような企業クライ アントと「クリエイティブ」を活用してブランディング・マーケティングを支援 する企業が出会い、直接商談することができる展示会「コンテンツ東京」が2023年6月28日[水]から30日[金]の3日間、東京ビッグサイトで開催される。「広告クリエイティ ブ・マーケティングEXPO」で最新のプロモーションとクリエイティブの活用方法を、「映像・CG制作展」では映像・CG制作や、制作・編集ツールに関する企業が、「クリエイターEXPO」にはイラスト・映像・音楽など気鋭のクリエ イターが多数出展する。
<構成展>
・第13回 ライセンシング ジャパン
・第11回 映像・CG制作展
・第12回 クリエイターEXPO
・第9回 先端デジタルテクノロジー展
・第9回 広告クリエイティブ・マーケティングEXPO <同時開催展>
・第3回 XR総合展【夏】
・第1回 メタバース総合展【夏】
<ROOT オリジナルボードゲームで企業を根っこから紐解き映像化>
<双子の赤ちゃんが描いた純粋無垢な絵> 1歳双子の画家 カイム&ハアス
双子の赤ちゃんが描いた純粋無垢な絵を、御社製品に使用しま せんか? 生後3ヶ月で描いた絵がアートコンテストで入賞し、 0歳で画家デビューした 「1歳双子の画家カイム&ハアス」が描いた作品を出展しています。 収益は親御さんではなく赤 ちゃん本人の貯金用口座に入れています。 TV出演、絵本の出版、NFTや複製画の販売、ベビーモデル等、幅広く活動中です。
COCOAR(ココアル) クラウドサーカス (株)
AR(拡張現実)を活用したプロモーションを行うためのツール。 現実ではありえないことも、デジタルなら自由に創造可能。AR での非日常体験をイベントや販促施策に盛り込むことで、顧客 体験価値を高め、オフラインとオンラインを組み合わせた感動 体験を提供可能。 「他と差別化したい」「企画がマンネリ化し ている」「キャンペーンの効果が見えない」 こんなお悩みを、 COCOAR(ココアル)は解決。 約10年の提供実績、5300社以上の導入実績。
<Sプリズムプリント®> (有) サンクラール
『Sプリズムプリント®』は箔を使った特殊印刷加工技術です。 印刷後に箔を押す通常の箔加工とは異なり、箔の上に印刷することで箔の多色化とグラデーションをわずか2工程で制作しま す。また箔の表面に直接施される精微で自由なエッチングデザ インにより、立体表現や光の動きをコントロールし、見る角度によって色変化を起こさせる、唯一無二の印刷物を創り出します。
<gatebox量産モデル> Gatebox株式会社
Gateboxは、好きなキャラクターと一緒に暮らせるキャラク ター召喚装置です。 リアプロジェクション投影技術により、 キャラクターをホログラムのように召喚し、 カメラやマイクなどのセンサーによって音声でのコミュニケーションを楽しむことができます。 現在、ChatGPT連携によって、大幅な会話体験の向上を目指して開発を進めています
<Startrail NFCタグ> (株) イーガルド
NFCタグで作品とNFTを連携 ①スキャンしてNFTを表示 スマートフォンでNFCタグをスキャンするだけで、作品のNFTレコードにアクセスできます ②柔軟なデザインとアプリケーション作品の形状や材料に応じて、シールまたはカードを選ぶことができます ③品質を追求した性能 内蔵されているNFCチップは、 200年の耐久性と堅牢な性能を保証します。
<AR絵本・アニメーション・映像・ イラストレーション> KYOTSUBE
上質な2Dアニメーションを制作いたします。 また、ARクリエイターとしても活動しており、企業向けのAR案件の実績も多数ございます。
<電子ペーパー歩く広告> Institute for Information Industry
【台湾スマートディスプレイ・応用ソリューション】 ディス プレイ産業は台湾の重点産業の1つであり、新世代ディスプレイ技術も発展させています。 バーチャル統合・AI連携・5G等 の技術と掛け合わせることで、特に「医療」「リテール」「モビリティ」「エンターテインメント」の4分野において、スマートディスプレイとして新たな価値を提供しています。
他、多数の製品・サービスが出展します!
詳細はこちら https://www.content-tokyo.jp/ja-jp/search/2023-s/directory.html?co=pr_release
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学科構成
■デザイン学科
コミュニケーションデザインコース
インテリアデザインコース
■漫画・アニメーション学科
漫画コース
アニメーションコース
■クリエイティブ学科
コミックアートコース
デジタルクリエイティブコース
所在地
〒530-0012 大阪市北区芝田2-8-35
お問い合わせ
infocloud-master@nsd-cloud.info
学校ホームページ
URL:https://www.oscd.jp/
取材・文:横山美和
大阪総合デザイン専門学校の選択科目「デジタルアニメーション」にて、書籍『猫のしぐさ解読手帖』のコンテンツを漫画動画にするという授業を行いました(2021年9月~2023年1月)。この動画は、誠文堂新光社のWEBサイトやSNSで配信され同書のプロモーション用として使用されます。
この授業は同書の担当編集者より同科目の担当、小山賢一先生に依頼をし、生徒たちのモチベーションとスキルを上げる授業となるはず、と好感され実施されました。同書は猫のしぐさを見て何を思っているか、それは病気か、正常か、をかわいいイラストと動物行動学者と獣医師のコメントでシンプルにまとめた書籍です。
受講者たちは本書でキャラクター化されている猫をモチーフとして本書の各項目を漫画動画に仕上げました。シナリオ、コンテから始まり、声優も生徒自身が行い、アニメーションの全工程を経て完成させるという実践的な授業となりました。
ここでは、小山先生と漫画動画制作に取り組んだ生徒たちのお話を伺い、この授業の感想や日頃のクリエイティブへの向き合い方について、そして、大阪総合デザイン専門学校が訴求するエンターテインメント制作の教育の意義と価値を探ってみました。
今回の作品制作は、「デジタルアニメーション」の授業で行いました。これは選択科目なのですが、1年生はどのコースに入っても履修できる授業です。ですので、今回は1年生を中心に、コミックアート、漫画、そして研究科の学生の14名が参加しました。この授業は週1回3時間の授業で計15回行われていますので、今回の作品制作は15回すべての授業を費やし、授業では、Adobe Illustratorから Photoshop、CLIP STUDIOといったデジタルソフトの使い方を中心に、動画編集ソフトまでを習得しながら、依頼された作品の制作を進めていきました。学生にまず指導したのは、今回の動画はいわゆる本格的なアニメーションではなく、どちらかというと、あまり動かないアニメ、漫画とアニメの間を目指すといった漫画動画というスタイルです。そして、テキストから絵コンテから、声入れまでを全部一人で行うということでした。もちろん、依頼主である出版社がありますから、「普通の人がみて面白いかどうか?」を必ず考えて制作しなさいと話をしました。これには理由があって、こうした動画を作る上で大切な、物語があって人に伝えるという表現力を、ここで感覚的にでも養いたいと考えたからです。とういのも、今のアニメ業界の現況を見ると、技術革新がもたらす産業の変化は著しく、テレビでも映画でも実写でも、そしてネット上でもアニメーションをつかって構築するといったことは普通に見られるようになりました。従って、仕事の幅は昔に比べて拡がってきています。しかし、逆に捉えると、これだけメディアが増えたわけですから、多くの目にさらされれば、ブームというのもあるし、単なる消費財で終わってしまうのではないかという懸念もあります。私はその懸念の上で、これからの未来を担う若者たちには強い意思をもって社会で活躍してほしいと思っているので、本校では積極的に自分の独立心を育むような若者を育てたいと考えて指導しています。
絵を描くのが好きなので、最初はアニメーションの世界に行きたいと思っていました。でも、高校生の頃、ある漫画に出会い、もしかしたら、私がやりたいのは漫画なのかもしれないと、進路を変更しました。この学校に来て思うことは、まず画力が上がったことです。好きなキャラクターがいて、小学生の頃からこれまでずっと何回も描いているのですが、最近、明らかに上手に描けるようになっていることに気がつきました。また、学校に入ってから、私は本格的に漫画を学んでいるのですが、ストーリーから考えて16ページの漫画を描く課題は、いざやってみたら難しかったです。ただ見ている漫画と自分で描く漫画というのはやはり違います。描いた作品を先生に見せると、先生はやはりプロなので、なるほど、と思うことを都度、指摘してくれます。また、漫画コースとはいえ、アニメーションの使い方などの授業も別に用意されています。漫画とは一味もふた味もまた違った世界でこの世界も難しいこともありますが面白いです。将来はプロの漫画家になりたいと思っています。そのためにももっと画力を上げて、スキルだけでなく、画面の見せ方や小回りのきかせ方なども学んでいきたいと思っています。
私はこれまで猫の絵を描いたことがなく、この授業で、初めて猫の絵を描きました。原作のイメージを忠実に再現できたらと思って取り組みました。
私は昔から絵を描くことが好きでした。特に動画に興味がありました。学校のオープンキャンパスに行ってみると、デジタルソフトの使い方を先生が丁寧に教えてくださり、また、話をいろいろ聞くと、アニメ分野の授業も受けることができると聞いたので、この学校に入ることを決めました。普段は鉛筆のほか、スマホに指で描いたり、タブレットを使ったりして、時間さえあれば、通学の電車の中やカフェなどでも好きな絵を自由に描いたりしています。一方、学校ではクロッキーからはじまり、デッサンといった基礎画力を身につける授業から、デジタル技術を駆使して行う授業まであります。学校では自分の引き出しを常に増やしつつも、毎日が刺激的です。特に課題発表会では、同級生の描く絵に対してこんな世界観があるのか、こんな描き方があるのか、と驚くことも多く、自分も頑張らなければならないなと思うことが多いです。将来的にはイラストレーターやアニメーターなどの仕事で会社に勤められたらいいなと思っています。今回の動画制作では、猫の行動にはどんな意味があるのかを原作を読んでリアルに再現しました。1枚だけで表現する、1枚に全力をかけて、シンプルに仕上げてみました。
私は日本の文化である漫画やアニメ、ゲームにもともと興味がありました。そして、絵を描くのも好きでした。以前に、日本のコミケ(コミックマーケット)に参加したことがあって、その感動が忘れられずに、今に至っています。香港にはこのような世界最大規模の同人誌即売会というものはないので、日本のコミケ文化は来日した今も訪れては感動でいっぱいです。香港にいた時は社会人として仕事をしていました。でも、心の中でコミケがある日本に行きたい、さらに、絵の勉強もしてみたい、できれば日本で好きな絵を勉強しながらコミケに参加して、絵師として就職できたら、と思い、インターネットで学校を調べました。調べてみると、この学校は香港からの留学生も受け入れていて、同郷の卒業生もいましたし、オープンキャンパスがあることもわかりました。そこで、家族旅行も兼ねて、ここ日本・大阪を訪れ、まずはオープンキャンパスに参加してみることにしました。オープンキャンパスに参加できたことは大きかったですね。ここで学びたいと意思が固まりました。しかし、コロナ禍で入学が決まっていたものの、なかなか来日することができませんでした。ようやく、今年、私は念願叶って、コミックアートコースに入学することができました。待っていたかいがありました。数ある授業の中で私が一番刺激を受けたのは「デッサン」の授業です。私は「デッサン」をこれまでに描いたことがなかったので、驚きの連続でした。そこでは色彩と形態を駆使して身につける基礎画力がいかに大切なことかを知らされました。
2022年前期 生徒の作品
2022年後期 生徒の作品
板倉千紘さんの作品(2Dイラストレーション)
豊川愛里さんの作品(漫画)
フォンチュンヘイさんの作品(2Dイラストレーション)
↓ 小山先生の活動の一環として、同様の課題を大阪総合デザイン専門学校と提携している
中国の美術学校の陝西職業技術学院でも行った。
クリエイティブディレクター・アートディレクターの、
ブランディングデザイン事例を思考法とともに大公開。
・商品ブランディング
・店舗のブランディング
・新規事業のブランディング
・企業のブランディング
・地域ブランディング
・リブランディング
など、さまざまなシーンの事例をご紹介しています。
ブランディングの考え方から、デザイン思考をビジネスに生かす手法、
コンセプト立案、デザインへの落とし込みまで、
デザイナーが押さえておきたいノウハウが満載です。
「ブランディングのセンスを磨きたい」
「これから、手掛けるブランディングの幅を広げていきたい」
「トータルブランディングを強みにしたい」
「クライアントへのプレゼンにもっと説得力を持たせたい」
という方におすすめです。
【Contents】
SPECIAL INTERVIEW 水野 学(good design company)
梅原 真 (梅原デザイン事務所)
植原亮輔 渡邉良重 (KIGI)
居山浩二 (iyamadesign inc.)
野口孝仁 植村 徹 (Dynamite Brothers Syndicate)
金谷 勉 (CEMENT PRODUCE DESIGN)
伊藤直樹 (PARTY)
色部義昭 (日本デザインセンター 色部デザイン研究所)
木住野彰悟 (6D)
八木秀人 (Hand Inc.)
関本明子
内田喜基 (cosmos)
西澤明洋 (エイトブランディングデザイン)
佐藤オオキ (nendo)
佐々木智也 (PARK Inc.)
太刀川英輔 (NOSIGNER)
山﨑晴太郎 (セイタロウデザイン)
川上恵莉子
Bascule
宇田川裕喜 (BAUM LTD.)
加藤智啓 (EDING:POST)
企業別索引
新たな才能を発掘する場としてだけでなく、イラストレーションについて真面目に考えアピールする場でありたいという思いのもと、2001年にスタートしたTIS公募の第18回開催概要が発表された。
公募はオンラインで、2023年5月10日(水)10:00から受付開始となる。
TIS大賞、金賞、銀賞、銅賞、入選のほか、今回から企業特別賞も加わる。
■応募受付(オンライン) 2023年5月10日(水)10:00~2023年5月24日(水)15:00
作品受付(オンライン) 2023年5月10日(水)10:00~2023年5月29日(月)23:59
■審査 データで応募いただいた作品をオンラインで審査。
TIS大賞、金賞、銀賞、銅賞、入選、企業特別賞を決定いたします。
■審査員(50音順・敬称略)
ゲスト審査員
大島依提亜(グラフィックデザイナー)
関戸貴美子(アートディレクター/デザイナー)
tupera tupera(クリエイティブユニット)
会員審査員
犬ん子、木内達朗、北澤平祐、しりあがり寿、タケウマ
丹下京子、西山寛紀、100%ORANGE
■展覧会(WEB上) 入賞入選作品を掲載いたします。
本年度は、コロナウィルス禍を考慮しWEB上のみでの開催を継続します。
■主 催 一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)
■協 賛 ターナー色彩株式会社、リキテックス/ウィンザー&ニュートン(バニーコルアート株式会社)、ファーバーカステル(DKSH MES ジャパン)、株式会社ワコム
■協 力 イラストノート&クリエイターズ・バリュー(株式会社 誠文堂新光社)、イラストレーション(株式会社 玄光社)
株式会社竹尾、一般社団法人 日本印刷産業連合会、日本郵便株式会社(五十音順)
■詳細Webページ https://tis-home.com/koubo/
■ビジュアル資料
Illustration:ゲレンデ Design:浅妻健司
~理事長からのコメント~
イラストレーターによるイラストレーターのためのイラストレーションコンペ、作品募集!
こんにちは、東京イラストレーターズ・ソサエティです。
この度18回目となるイラストレーションのコンペを開催します。
イラストレーションが多様化する中「イラストレーターにとって幸せな仕事ってどんなだろう?」私たちは日々真剣に考えています。
このコンペの目的も、イラストレーターという仕事がより確かで豊かなものであることを願い「現役イラストレーターである私たちと共に闘ってくれる人を見つけたい」そんな思いを込めています。
イラストレーターとして生きて行きたい人はぜひ、めちゃくちゃ楽しんで絵を描き、ご応募くださいね!
理事長 小池アミイゴ
2023.04.19
]]>特集:文字を極める
あらゆるデザインにおいて、「文字」はなくてはならない要素だ。PCやスマートフォンのオンスクリーン上など、多様なメディアへ対応することが不可欠な現代、さらにデジタルフォントの選択肢が飛躍的に増え、ますます「文字デザイン」の自由度が高まっている。コミュニケーションが加速している潮流の中、アートディレクターやデザイナーは、あらゆるメディアにおいて人を惹きつける美しいフォントと文字組みのバランスを探り、個性を際立たせるために試行錯誤を続けている。
「文字デザイン」は、まさにデザイナーの力量が問われる部分だ。本特集では、文字に精通したトップアートディレクター、デザイナーを厳選。それぞれの視点から、文字とデザインの関係を紐解いてみた。
■目次
●佐藤可士和(SAMURAI)目的に応じて文字を自在に操り、ブランドにふさわしいイメージを構築する
●水野 学(good design company)ブランドの歴史をたどり、文字の奥深さに向き合う
●SPECIAL TALK 知識の蓄積と言語化の力で、文字デザインの価値を最大化する 今市達也 × 水野 学
[ブランディングデザインと文字]●内田喜基 (cosmos)クライアントの想いを「文字化」する
[本と文字]●山田和寛 (nipponia)文字は、著者に代わり発する"声"。その雰囲気と内容にいかに寄り添うか
[パッケージデザインと文字]●赤井佑輔 (paragram)文字が持つ特性を最大限活用し、「わかりやすさ」と「違和感」を共存させるパッケージ
[グラフィック、タイプデザイナーの視点]●今市達也 (MIMIGURI)フォントは発信者の人格を体現する動的ツール。デザインを通して、使う価値や楽しさを伝えたい
■各社一押しの新書体
・モリサワ:Morisawa Fonts × minna 角田真祐子・長谷川哲士 ・フォントワークス ・タイププロジェクト ・モトヤ
Professional CREATORS GALLERY クリエイターズ・バリュー クリエイター30組の仕事
Creator in the Spotlight:明里圭修(CRATER Inc.)
定価:1,800円+税
ISBN:978-4416523780
2023年2月14日発売
誠文堂新光社HP:https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/art/77048/
構成=野口真弥 Noguchi Maya 文=杉瀬由希 Sugise Yuki 写真=梅田健太 Umeda Kenta
明里圭修(あかり けいすけ)
アートディレクター/グラフィックデザイナー。
PROFILE
1984年金沢市出身。デザイン会社数社を経て2013年に上京、独立して「株式会社クレーター」(https://crater.co.jp)設立。VIを中心に、ロゴデザイン、グラフィック、パッケージ、Webの制作を行っている。日本タイポグラフィ年鑑、K-DESIGN AWARD、MUSE Creative Awards、C-IDEA Design Award、German Design Award など受賞多数。日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員。
VI中心に、グラフィックデザイン、パッケージ、Webなど幅広く手掛け、クライアントの課題解決に最適化したアウトプットを提案するクレーター代表・明里圭修。2022年はアジア3大デザイン賞のひとつK-DESIGN AWARDや日本タイポグラフィ年鑑、その他国内外の賞を多数受賞し存在感を示した年でもあった。デザインのいろはを現場で学び、ひたすら実践でスキルを磨いてきたという明里の思考とアプローチとはどのようなものなのだろうか。
明里圭修のデザイナーとしてのキャリアは出身地の金沢から始まった。学生時代はスケートボードにのめり込み、卒業後も「体力を温存したい」という理由でデスクワーク職に就くほどスケートボード中心の生活を送っていたが、20代半ばに差し掛かった頃、一念発起してデザイナーを志す。
「このままじゃ中途半端でダメだなと。ちゃんとやりたいことを仕事にしようと思ったんです。描いたり、つくったりするのが得意で、デザイナーになると決めました。スケボーの先輩にデザイナーが何人かいたので、デザイン業界の情報を色々教えてもらいました」
働きながら独学でデザインを勉強し、金沢のデザイン会社や印刷会社に片っ端から応募するも全敗。しかし持ち前の粘り強さと行動力で、募集もしていないデザイン会社の門戸を叩き直訴すると、その意欲を買われ、試用期間は無給という厳しい条件ながら採用となる。広告、ロゴ、グラフィック、Web、パッケージ、映像など幅広い領域の制作物を手掛けるこの会社で、あらゆることを吸収すべく、睡眠時間を削り実践で学び取っていった。「追いつくのではなく、追い越す」と心に決め、背水の陣で一からデザインに取り組んだ経験が、今日の明里の礎となっている。
「青天井の東京で、どこまでできるか試してみたい」と30歳で上京を機に独立を果たし、今年で創業10年目。ゼロから開拓したクライアントは大企業から個人事業までさまざま、その中でも多いのは、中小企業や飲食店などの個人事業主だ。決して余裕があるわけではない資金の中から捻出された予算に対し、いかに相手の想いを汲み、コストパフォーマンスの高い解決策を提案できるか。その真摯な姿勢とアウトプットに信頼を寄せるクライアントは多く、この5年間のリピーター率は8割を超えるという。
「何か一つの領域に特化して専門性を高めたほうが、デザイナーとしては武器になるのではないかと悩んだ時期もありました。でも、どうしても絞れなかった。お客様の悩みを解決する手段は一つではないし、複合的なアプローチをしたほうが効果が得られることもある。そういう一貫した提案ができることが、今は自分の強みだと思っています」
仕事をする上で明里が最も大事に考えているのが、クライアントへのヒアリングだ。デザインの力を必要としていても、具体的にどうしたいか明確なイメージを持っている依頼主は稀と言っていい。それでも根気強く対話を重ねて行くと、相手の頭の中で漠然としていたイメージが、次第に形を成して行くのが手に取るようにわかるという。
「デザインのことはわからないのでお任せします、という方もいます。でも例えばこちらから敢えて大きく振った提案をしてみたりすると、いやそれはちょっと、とか、感想や意見が必ず出てくるんです。それを糸口にいろいろ質問して相手の想いを引き出し、言語化していく。デザイナーには組み立てる力はもちろん必要ですが、まずはアウトプットの前に、相手の想いや課題を顕在化することが重要な役割だと思いますし、お客様が自分事として主体的に考えることに意義があると思っています」
明里が手掛ける仕事の中でも案件数が多いのが、ブランド要素であるロゴ制作だ。ゼロから構成したり、フォントをベースにつくったり、手描きなどの、バラエティに富んだ文字デザインに加え、必要に応じてスローガンやタグラインを作成し、ロゴと一緒に提案することも。
「ロゴタイプには時間をかけているデザイナーだと思っています。シンボルマークがない場合でもしっかりオリジナリティを出せているか、シンボルマークがある場合は、そのシンボルマークと喧嘩していないか、ロゴタイプにはシンボルマークでは伝えきれない情緒的な繊細なイメージを伝える機能があると思っています。オリジナルでロゴタイプを構築したり、フォントをベースにカスタマイズすることもありますし、実際に筆を持って書くこともあります。最終的にはデジタルなデータになりますが、生み出す方法はコンセプトや訴求したいイメージに合わせて選ぶことが多いですね」
文字や図形に2つの意味を重ねて表現するロゴデザインは、明里の得意技だ。昨年、K-DESIGN AWARD金賞、日本タイポグラフィ年鑑2023の VI部門審査員賞、さらにはMUSE Creative Awards Silverとトリプル受賞した「葉肉さぶろく」もそのひとつ。横棒だけで構成された幾何学的なロゴ・マークは、漢数字の「三」「六」を表現しているが、見方を変えると算用数字の「3」「6」とも読めるのがわかるだろう。
気づくと思わず膝を打ちたくなる、さりげない仕掛けのあるデザインだ。ほかにも「べ」の文字を富士山の稜線になぞらえた日本・ベルギー友好150周年展や、「50th」に「額中」の漢字を重ね合わせた母校額中学の50周年記念ロゴなど、文字の形状に着眼した遊び心と発想力の光るデザインが目を引く。こうしたアイデアの源泉はどこにあるのだろうか。
「手を動かす前に、じっくり考えます。パソコンを使えない状況の時は、ほとんど考える時間に充てています。特に電車移動中、車窓から目に入ってくる看板やポスターなどは貴重な情報源。自分では思いつかないものも多いので、頭の中で変換したりしながらあれこれ考えるんです。アイデアが決まったら、ラフを描いて実現可能かどうか確認します」
書道の心得はないというが、自ら筆で描いたロゴタイプも多い。何枚も描いた中からデジタルでパーツを切り貼りし、目指すバランスや筆致感の文字に仕上げていく。
「和風のものは得意です。特に意識はしていないんですが、金沢の歴史や文化が自分の中に根付いているのかもしれませんね」
デザインをコミュニケーションの手段と位置づけ、人とモノ・コトとの出会いの場で効果を発揮するデザインを追求し続けてきた明里。時代の変化を捉えながら、その思いは一層強くなりつつあるという。
「今は、いい商品、いいサービスだから売れるという時代ではありません。だからこそ企業やお店がその価値をちゃんと発信できるよう、ユーザーとのタッチポイントをつくって両者を繋げていく存在でありたい。月面に残るクレーターのように、人の記憶や価値に残るものを生み出していきたいと思っています」
※この記事はMOOK「デザインノートPremium文字を極める」の特集Creator in the Spotlightを再編集したものです。
2023.02.14
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2022年11月7日(月)から12月27日 (火)まで「TAKEO PACKAGE EXHIBITION 10年後の 紙とくらし」展が竹尾 見本帖本店にて開催される。花王、資生堂、ソニー、ビームス、明治が出展し、「プロトタイピングする10年後の日常シーン」として、"10年後"の紙と人の関係について考察し、さまざまな<パッケージ>を提案している。
紙と人。 その幸せな関係はおよそ2,000年も前から続いています。 昨今、わたしたちの日々の暮らしや働き方は急速に多様 化しています。 これからもさまざまな出来事に対応して、わたしたちの 価値観や行動様式は変化していくでしょう。 そのとき、紙と人の関係はどのようなものになっている のでしょう。 そこで日用品、化粧品、テクノロジー、衣料品、食品の 分野からそれぞれ花王、資生堂、ソニー、ビームス、 明治のインハウスデザイナーたちが、ちょっと先の "10年後"の紙と人の関係がどのような感じになっている かを各々の視点から考察しました。 本展では"少し先の今"の暮らしとそこで使われているで あろうさまざまな〈パッケージ〉を2032年の日常のある ワンシーンを切り取って、具体的に提案いたします。
出展企業
- 花王:洗剤と仲良く暮らす
- 資生堂クリエイティブ:自分らしくいるためのあたらしいパーソナルスペース
- ソニーグループ:宇宙にいる私たちの暮らし
- ビームス クリエイティブ:10年後のBEAMSでのお買い物
- 明治アドエージェンシー:たいせつな人たちとの食事の時間
開催概要
展示会名:TAKEO PACKAGE EXHIBITION「10年後の紙とくらし」展
主催:株式会社竹尾
企画・ディレクション:山﨑 茂(コーセー)
アートディレクション:白井陽平(サン・アド)
イラストレーション:益田ミリ
会期:2022年11月7日(月) - 12月27日(火)
開場時間:11:00 - 18:00・定休日:土日祝日
*11月12日(土)と12月10日(土)はオープンいたします。 開場時間: 13:00 - 17:00
*お客様とスタッフの安全を守るため、新型コロナウイルス感染防止対策を実施しております。
本展URL:https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20221107.html
会場:竹尾 見本帖本店 2F
東京都千代田区神田錦町3-18-3
アクセス:神保町駅(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線) 竹橋駅(東京メトロ東西線) 新御茶ノ水駅(東京メトロ千代田線) 淡路町駅(東京メトロ丸ノ内線)の各駅より徒歩8分
【株式会社竹尾について】1899年創業の紙の専門商社。 色や風合い、豊かな素材感をもつ高級特殊印刷用紙「ファインペーパー」の開発と提供を通じて、 日本の紙の文化の発展に寄与。国内外の製紙会社と連携して先端技術を取り入れると同時に、 多くのトップデザイナーとともにクリエイティビティを刺激する素材としての紙を創出しています。 見本帖本店は「ファインペーパー」に見て触れて親しむスペースとして2000年にオープン。
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子どもの頃に、誰もが手にしたことのある画材クレパスを使った技法書「やさしいクレパス画」を2022年11月4日に刊行します。
学習帳やカレンダーなどのグッズや絵本で人気のイラストレーター米津祐介さんのやさしい解説で、かんたんにかわいいイラストが描けるようになります。
指にクレパスをつけて塗ることでグラデーションをつくったり、クレパスで塗った箇所を割り箸などでひっかいて模様をつけたり、ちょっとしたテクニックを知るだけで、表現の幅がぐんと広がります。
チクチクしたハリネズミや、ふさふさのヒマラヤン、もこもこのアルパカなどのかわいいどうぶつ、こんがり焼けたパン、色鮮やかなフルーツなどのおいしいたべもの、お気に入りのあたたかいセーターなど、お手本を見てマネするだけで、プロのような絵が描けるようになるので、絵を描くのが苦手という方も是非チャレンジしてみてください。
【著者プロフィール】
米津 祐介(よねづ・ゆうすけ)
1982年東京都生まれ。長野県在住。東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程卒業。2005年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展への入選をきっかけに絵本作家として活動を始める。2007年に初の絵本『Bye‐Bye Binky』(minedition)を出版。以後、多くの絵本を創作し、ヨーロッパ各国、ロシア、アジア、アメリカなど、世界中で出版されている。日本でも『のりものつみき』(講談社)を皮切りに、しかけ絵本が次々と出版され、そのデザイン性、クオリティの高さで人気を博している。また、様々なステーショナリーグッズを展開するなど、イラストレーターとしても活躍の場を広げている。
http://yonezoo.com/
【書籍概要】
書 名:やさしいクレパス画
著 者:米津 祐介
仕 様:B5変判、144ページ
定 価:2,090円(税込)
発売日:2022年11月4日(金)
ISBN:978-4-416-62215-5
【書籍のご購入はこちら】
誠文堂新光社 書籍紹介ページ:https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/74605/
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