クリエイター

西澤明洋

NISHIZAWA AKIHIRO


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1976年滋賀県生まれ。ブランディングデザイナー。株式会社エイトブランディングデザイン代表。

「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD®」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。

主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana's green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、サンゲツ「WARDROBE sangetsu」、スペシャルティコーヒー「堀口珈琲」、ITベンチャー「オズビジョン」、賀茂鶴酒造「広島錦」、芸術文化施設「アーツ前橋」、料理道具屋「釜浅商店」、手織じゅうたん「山形緞通」、農業機械メーカー「OREC」、ブランド買取「なんぼや」、博多「警固神社」、ドラッグストア「サツドラ」など。

著書に『ブランドのはじめかた』、『ブランドのそだてかた』、『クリエイティブのつかいかた』『アイデアを実現させる建築的思考術』(日経BP社)、『ブランドをデザインする!』(パイ インターナショナル)、『新・パーソナルブランディング』(宣伝会議)がある。

グッドデザイン賞をはじめ、国内外100以上の賞を受賞。BBT(大前研一氏代表)オンライン講座「ブランディングデザイン」講師やECOSYX LAB(紺野登氏代表)のアドバイザーを務める。そのほか、大学、企業などでの講演やセミナーなども多数行う。NHKworld「great gear」出演。

クラフトビール「COEDO」 (2005–)

2005年当時、地ビール業界が縮小するなかで、COEDOビールのものづくりの本質を伝えるべく新たなポジションへと向かうブランディングを行った。

COEDOビールは、職人達が醸し出すビールの確かな技術と味わいを強みとし、日本のビール業界では初となるクラフトビールという新たなポジションを確立した。代表取締役 兼 CEO 朝霧重治氏の「ビールは本来、豊かな色、味わいを持つ、楽しいものであり、そして素晴らしいものである」という思いを伝えるため、「Beer Beautiful」をコンセプトに掲げ、エイトブランディングデザインではロゴやパッケージ、コーポレートツール、WEB、コエドビール祭などのデザインを幅広く担当している。

なお、COEDOビール自体は2006年のブランドローンチ以降丁寧な活動を続け、2016年に埼玉県東松山に新たなビールづくりの拠点「COEDOクラフトビール醸造所」を設立するなどし、地域に根ざした本当の意味での地ビールへと新たな展開を進めている。

CL:株式会社協同商事 コエドブルワリー

抹茶カフェ「nana’s green tea」 (2006–)

「誰もやったことのないカフェをつくる」という朽網一人社長の志のもと、良質な素材にこだわった抹茶カフェブランドの確立を目指しブランディングを行った。

新しいフランチャイズシステムのデザインを目指し、ブランドコンセプト「新しい日本のカタチ」をもとに、「現代の茶室」をデザインコンセプトとして全店舗異なるインテリアデザインによる多店舗展開を行う。グラフィックによるブランドイメージの確立のために制作した、オリジナルの文様「茶鶴」をベースに各アイテムのデザインを行い、ブランドイメージの統一を図っている。茶花や源氏物語をモチーフにしたアートワークを制作し、茶道のおもてなしの精神と茶室の空間文化を再解釈し、「現代の茶室」の表現。その他、ロゴやメニュー、商品、店舗インテリアなど総合的にブランディング及びデザインを担当している。現在、国内での店舗展開は約80店舗、海外では上海、台湾、シアトル、バンクーバー、ワイキキなどへ展開し約100店舗に迫る勢いで成長を続けている。

CL:株式会社七葉
設計:KAMITOPEN 吉田昌弘、設計機構ワークス 坂口舞、kingsmen Architects Design 河村功二

創業100年の料理道具屋「釜浅商店」 (2011–)

釜浅商店のある東京・合羽橋道具街は、BtoB向けの料理にまつわる卸業態が軒を連ねる道具街だったが、通信販売やインターネットの台頭により訪れる人が減り、売上がピーク時より半減してしまっていた。合羽橋道具街の活気を取り戻すことを目標に掲げ、BtoBから、BtoB+C業態へ転向するブランディングを行った。

「良理道具」というコンセプトのもと、ブランドロゴ、ショップツール、インテリア、WEB、ムービーにいたるまで、総合的にデザインを担当している。インテリアデザインでは、サイン機能を兼ねた大きな黒のれんを建物のファサードに回し、2棟にまたがる店舗空間をひとまとまりに見えるようデザインした(2020年に1棟を建て替え新築予定)。什器には釜の形をモチーフにしたディスプレイ棚をデザインし、「移動式釜浅商店」として催事にも対応したデザインを展開。

売上もブランディング以前からから倍増し、2018年にはパリに支店出店、2020年には新ビルの建設など次世代へつなぐ展開が始まっている。

CL:株式会社釜浅商店
設計:KAMITOPEN 吉田昌弘氏

手織じゅうたん「山形緞通」 (2014–)

主軸事業(BtoB)では、日本の伝統的なものづくりを支える確かな技術で新歌舞伎座など納入実績を持ち成功しているが、現代の暮らしに合わせたBtoC向けのブランド構築を目指すし、ブランディングを行った。

「足もとからのおもてなし」をコンセプトに、糸づくりから染め、織り、アフターケアまで、職人による高い技術で一貫生産を行っている。ロゴマークは、じゅうたんの素材であるブラックフェイスという羊と山形の「山」の字をモチーフにデザインし、ツールへ展開。パンフレットやWEBに加え、ブランドムービーや作家インタビュームービー、展示会のデザインなどトータル的にデザインを担当している。

商品政策の大きな見直しを行い、古典ラインでは約80年の歴史で培われた膨大なデザインから山形緞通らしいものを厳選。奥山清行氏や隈研吾氏などとコラボレーションしている作家ラインに加え、新たに山形緞通の一貫生産の強みを活かした現代ラインや新古典ラインの商品企画及びデザインも手がけている。

CL:オリエンタルカーペット株式会社

ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」 (2015–)

市場全体が成熟し、コモディティ化しているぽん酢業界で新しい価値を提示していく必要があり、「生」をキーワードに鮮度ボトルを使った新ブランド開発を行った。

素材の自然な味わいにこだわり、爽やかでしっかりと旨みを感じられるバランスの良い味を追求した商品であることから、コンセプト「素材が生きる、まるごと生」を開発。今までのぽん酢カテゴリーになかった「ひとつ上のスタンダード」という価値観を提示し、ぽん酢業界において新しいポジションの獲得と、トレンドの創造を目指すブランディングを行った。

パッケージは、素材や製法が全て生(生醤油・生出汁・生果汁・生醸造酢)という商品特徴を爽やかな柑橘を想起させる丸いアイコンで表現し、「まるごと生=まる生」という商品イメージを分かりやすくデザインしている。シリーズ展開として、まる生おろしぽん酢も手掛けている。

CL:ヤマサ醤油株式会社

農業機械「OREC」 (2016–)

自走式草刈機、乗用草刈機などで国内シェアNo.1を誇り、海外でも高い評価を得ていたが、さらなる高みを目指してブランド力の総合的な強化を目的に、理念をはじめ、技術の高さや製品の信頼度など企業の想いを伝えるためのブランディングを行った。

「草と共に生きる」をコンセプトに、有機農法のひとつである草生栽培をものづくりの原点とし、様々な事業を展開しているオーレック。コンセプト開発からロゴ、WEB、ブランドCM、ブランドムービーやコーポレートツールなどコミュニケーションデザイン全般を担当。その他、ORECの核となる製品「RABBIT MOWER」のコンセプトモデルやショールーム「OREC green lab」などのディレクションやデザインも行う。

リブランディングのローンチ後となるブランディング第2フェーズでは、定期的に本社を訪問しブランドコンサルティングを担当するなど、継続的にブランド育成のサポートを行っている。

CL:株式会社オーレック
プロダクトデザイン:PDC DESIGN WORKSやまざき たかゆき
設計:キノアーキテクツ 木下昌大

博多「警固神社」 (2016–)

全国の神社が氏子減少により潰れていく現状があり、福岡県博多の繁華街の中心地に位置する警固神社でも住人の減少とともに氏子が減少していたが、神社として60年後も存続するためのブランディングを行った。

約400年ぶりの社紋変更となるリブランディングを行った。407年来 使われ続けてきた社紋は社を寄進した武家紋だったため、警固神社の神様の本来の由緒に立ち返り、「警め固(まも)る神」を表す「固」という漢字に由来する社紋をデザイン。社紋変更に伴い、全国で初の博多織のオリジナルのお守りや御札、絵馬、おみくじ等のデザインも一新した。
同時に 同敷地内に鎮座する今益稲荷神社のブランディングも行い、社紋を変更。全国でも珍しい「笑いきつね」の像を模したおみくじなども制作している。

CL:宗教法人 警固神社
空間設計:f. a.t 関祐介

北海道のドラッグストア「サツドラ」 (2016–)

業績は好調に推移していたが、スーパーマーケットやコンビニなどドラッグストア業態に限らず様々な業界の競合が増えてきている中で、北海道の方々に広く末長く愛されるようリブランディングを行った。

コンセプト「北海道の「いつも」を楽しく」を開発し、ネーミング変更を伴うリブランディングを実施。ロゴマークの「++」は、「いつもの暮らしに楽しさをプラスする」という意味を込めた。2017年10月に、ブランドコンセプトを表現したフラッグシップ店(設計・監理:SUPPOSE DESIGN OFFICE 谷尻誠氏、吉田愛氏)がオープン。日用品PBブランド「サツドラ」はコンセプト「わたしの「いつも」にちょうどいい」、医薬品・健康食品PBブランド「Wellness Navi」はコンセプト「日本の健康を買いやすく」としてブランディングを行い、価格だけでなくデザインを付加価値としたオリジナル商品の企画開発からデザインまでを行っている。

CL:サツドラホールディングス株式会社

西澤明洋
西澤明洋

1976年滋賀県生まれ。株式会社エイトブランディングデザイン代表。ブランディングデザイナー。「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD®」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana's green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、サンゲツ「WARDROBE sangetsu」、芸術文化施設「アーツ前橋」、手織じゅうたん「山形緞通」、純金工芸「SGC」、農業機械メーカー「OREC」、ブランド買取「なんぼや」、ドラッグストア「サツドラ」、博多「警固神社」、など。著書に『アイデアを実現させる建築的思考術』(日経BP社)、『ブランドをデザインする!』(パイ インターナショナル)などがある。グッドデザイン賞をはじめ、国内外100以上の賞を受賞。

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