取材・テキスト/野口真弥
イラスト、映像、音楽、書道、デザイン、写真などの分野のクリエイターが出展する商談のための展示会「クリエイターEXPO」が2022年6月29日(水)~7月1日(金)に開催され、第11回を迎えた。コンテンツ制作や出版、商品化など、〝クリエイターに直接依頼をしたい企業″と〝自分自身を売り込みたいクリエイター″が直接出会える貴重な機会に、実際にどのような商談が行われているのか。クリエイターにとってどのようなメリットがあるのだろうか。クリエイターEXPOに2016年に初めて出展し、その後7年連続で出展している、模様デザイナーmayaさんに話を伺った。
Profile
模様デザイナーmaya
事務、経理、ファッション・テキスタイルデザイナーを経て、2018年よりフリーランスとして本格的始動。"花蝶風月"の世界観を出している。デジタルでも描くが、手で描くことを大切にしている。キャラクタープリント生地、インテリア、浴衣、着物、車のラッピング、時計などのテキスタイルデザインコンペで受賞。汎用性のある"模様"を手掛ける。様々なプロダクトとコラボレーションしている。
--初めての出展のきっかけは何でしたか?
maya:会社を早く辞めたかったので、自分がやりたいことで仕事になればいいなと思っていました。そんな時にクリエイターEXPOの存在を知り、一度見学してから次の年に出展を決めました。
--初出展はいかがでしたか?
maya:出展した時の会場は、出入り口に近い場所でしたので、人の出入りも多かった印象があります。仕事の実績はゼロでしたが、人通りが多かったこともあり、いろいろな方に見ていただくことができました。
最終日にとある企業さまと繋がり、お仕事をさせていただくこともできました。あの時の名刺交換で、手が震えたことを今でも覚えています。
この時に出展されていたクリエイターさんと繋がれた事もとても大きいです。今でも仲良くさせていただいております。
--初出展でお仕事にも恵まれたとのこと、自信にも繋がりますね。展示の際に気を付けていることはありますか?
maya:模様だけのイラストだと、何に使ったら良いのかピンとこないと思ったので、モックアップにするなど、立体物で見せる工夫をしました。グッズ制作は1点からでも作れるので、実際にサンプル作ってみたりもしました。
ただ、高さのあるものを展示すると、隣の出展者さんのブースが見えづらくなって迷惑になってしまうので、その点は気を付けるようにしています。
--今回の展示会はいかがでしたか?
maya:今回のクリエイターEXPOもとても楽しかったです! クリエイターEXPOの楽しいところは、クリエイターさんと繋がれたり、お取引先の方とご挨拶できたり、また新たな企業さんと知り合えるところです。
展示会の後すぐに仕事に繋がらなくても、少し期間をおいてご連絡をいただけたりします。ですので、突然連絡がくることがとても楽しみです。
--mayaさんの仕事は、柔らかくて明るい模様の作品が印象的ですが、今回展示されていた作品をご紹介いただけますか?
maya:こちらは、クリエイターEXPOでお仕事をさせていただきました、ロイスダール Fluriaのお菓子パッケージです。お菓子のパッケージデザインを手掛けることは、夢の一つでしたので、とても嬉しいお仕事です。
--夢が叶うとは素敵ですね! 今後手掛けてみたいお仕事はありますか?
maya:いずれも模様のデザインにおいてですが、手掛けたい仕事はたくさんあります!
化粧品のパッケージや、本のカバー、手帳や雑貨、ホテルの一室やカフェ、インテリアなどのお店の内装など。バレンタインのような季節限定もののデザインも手掛けてみたいですね。いろいろコラボもしたいですし、たくさんあって書ききれないです! まだまだやりたい事がたくさんあります!
--これまでもお菓子や化粧品、テキスタイルなど、様々なお仕事を手掛けられていますが、これからの活動も楽しみですね! 最後に、出展を迷われている方に向けて、メッセージをお願いします。
maya:出展費が高額なので、なかなか「よし出展してみよう!」という気持ちにはなりにくいかと思います。遠方の方は移動費や宿泊費もかかりますが、「いつか...」と先延ばしにしていると、出展費がもっと上がっていくかもしれません。
今のうちに「えいやっ!」と飛び込んでみるのもいいかと思います。地域の補助金がでる場合もあるようなので、一度調べてみてください。私の地域は出ないのですが、全額補える方もいるようです。
そして、なによりも出展することで出展者さんと仲良くなれます。自分の営業ではリーチできないような企業の方々とお話する機会にも恵まれます。
自分が憧れていた企業さんともお話することができるかもしれません。
そして、一度出展すると、すぐに連絡が無かった方からも、数年後にご連絡いただけたりもします。
展示会期間中、いろいろお話をするなかで、何かヒントが得られたりもします。
自分の本気度も知れますので、出展を考えている方は出展してみてもいいかと思います。
--本日はありがとうございました。
2022.09.29