1966年4月に入学定員120名で開学した東京造形大学。現在でも1学年の入学定員が380名という徹底した少人数教育を行い、学生一人ひとりに向き合う教育を大切にしている。
造形学部の学びの軸となるのは、グラフィックデザイン、写真、映画・映像、アニメーション、メディアデザイン、室内建築、インダストリアルデザイン、テキスタイルデザインの8つの専攻領域を有するデザイン学科と、絵画・彫刻の2専攻領域から構成される美術学科である。
それぞれの学科では、実践的に技能を究めていく専門科目に加え、学科や専攻領域の枠を超えて自由に学ぶことのできる横断的科目が用意されている。前者を〝深める〟授業だとすれば、後者は〝広げる〟授業だといえるだろう。
特に専門の異なる教員や学生が交流しながら授業が展開される「ハイブリッド科目」では、環境問題や持続可能性と造形との関係についても学習。社会から求められる専門分野以外の視点や発想を身につけることができる。
国際的なアワードである「レッド・ドット・デザイン賞2022」を受賞した東京造形大学のブランドムービー。そこに表示されるタグライン「だれかで終わるな。」には、一人ひとりの個性と能力を引き出し、社会を変革する人材を育成する思いが込められている。
ブランドムービーは「だれかで終わるな」SPECIAL SITEから視聴ができる(https://www.zokei.ac.jp/darekadeowaruna/)。
東京造形大学が求めているのは、固定観念にとらわれず、自由で柔軟な考え方のもと、さまざまな社会課題を解決しようとチャレンジする学生だ。
新たな取り組みの一つが、2021年度入試からデザイン学科の一般選抜入試に導入された「発想力」に関する実技試験である。文章や絵の巧拙ではなく、発想が純粋に評価される点が話題となった。与えられたキーワードから作品や企画、製品のアイデアを発想して文字とビジュアルで表現するこの試験により、普通科の高校生たちへも広く門戸が開かれたといえるだろう。
こうした「発想力」の実技試験が導入された背景には、以前より東京造形大学がリアルな社会課題に向き合ってきた歴史がある。産学官の協働で進める多種多様なプロジェクトでは、いろいろな分野において、デザインやアートの知見や技術が必要とされている。
たとえば、2022年から実施されている東京都八王子市の八王子消化器病院における「癒しの壁画」プロジェクトもその一つだ。これは放射線科フロアの廊下に、学生が考案したホスピタルアートを設置するというものである。
個であれ、自由であれ―。一人ひとりの才能を、社会を変えていく力に。東京造形大学は、あふれる情熱と創造力で、挑戦を続ける君を待っている。