グラフィックデザイナー 長嶋りかこ氏デザイン
ポーラ美術館、ロゴなどヴィジュアル・アイデンティティーを刷新

           

グラフィックデザイナー 長嶋りかこ氏デザイン
ポーラ美術館、ロゴなどヴィジュアル・アイデンティティーを刷新
VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)を刷新し、「モネとマティス もうひとつの楽園」展開幕(6月1日)に合わせて順次導入



ポーラ美術館が、2002年の開館以来使用してきた「世界に発信する」という願いを込めたロゴマークを刷新。VI刷新にあたっては、デザイナーの長嶋りかこ氏を起用した。

新しいロゴマークは、「塗り」のロゴと「線」のロゴを、状況や使途に応じて、左右対称、または上下反対に配置するデザインである。相対するものを起点としながら、様々なものが響きあい、変化していく様子と広がりを表現。ポーラ美術館がさまざまに変化しながらも、ゆるぎないアイデンティティを持つことを示している。


■新ロゴ

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■旧ロゴ

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長嶋りかこ氏・コメント
ポーラ美術館のヴィジュアル・アイデンティティ(VI)のリニューアルを考えるにあたり、ロゴタイプに始まり様々な媒体への展開において、既に有る資源を活かすという姿勢をとっています。ロゴタイプは、もともと旧日本語ロゴと共に小さく併用されていた英字のロゴタイプを抽出し、それを"線"と"塗り"のロゴタイプをセットにして、異なる双方の共鳴の意を込め左右対称または上下反対に配置しています。これは近代と現代、自然と人工など、様々な異なる双方を提示することで私たちに問いを投げかけるポーラ美術館のあり方を表しています。ロゴタイプは媒体に応じてその位置や大きさは変化できる設計にしたため、配置によっては大きな空間を持たせその中に伝達したい情報を組み込む機能も兼ねています。様々に展開される紙媒体においては、森の持続可能性を考えFSC認証紙を使用し、インクは石油系有機溶剤を含まず環境配慮に進んだノンVOCインクを使用し、紙袋などの消耗材の有料化など、資源を活かし自然を守るためにできることを提案し、森と人とが調和するこの美術館での体験が、どんな媒体においても伝達できることを目指しています。


■ミュージアムショップの包材を環境対応型にリニューアル、有料化へ

このVI刷新を機に、ミュージアムショップのショッピングバックをリニューアルいたします。国際的な森林認証の「FSC認証」を受けた素材を採用するなど、環境対応型の包材にリニューアルして有料化します(一部無料あり)。ポーラ美術館は「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに開館して以来、敷地内の森林の林相転換や生態系に配慮した美術品の保存管理を行う等、環境保全の活動を続けて参りました。今回のリニューアルにより、みなさまのご協力を得ながら環境への配慮をより充実させてまいります。


■ショッピングバッグ(手さげ袋・紙製)

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大:150円/中:100円/小:50円(すべて税込) FSC認証紙使用
ほか、3種のショップ包材をリニューアル


■ポーラ美術館について
2002 年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、現代美術の作家を紹介するスペースをオープンするなど、さまざまな取り組みを行っている。富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめる。

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・開館時間︓9:00-17:00(入館は 16:30 まで)
・休館⽇︓無休(展⽰替えのための臨時休館あり)
・所在地︓神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭ 1285
・TEL︓0460-84-2111





2020.06.30

  

長嶋りかこ

1980年生まれ。VI計画、サイン計画、ブックデザイン、空間構成など、グラフィックデザインを基軸としながら、自然環境と文化/福祉への貢献を目的に活動する。これまでの仕事に「札幌国際芸術祭"都市と自然"」(2014)、「東北ユースオーケストラ」(2016-)、廃棄生地を再利用した展示「DESCENTE BLANC exhibithion」(2018)、プラスチックボトルを再利用した生地にヤレ紙の塗料汚れをプリントしたテキスタイル「Scrap_CMYK」(2019)など。2021年度のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館にてデザインを担当。

関連サイト
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アイデア
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