いつか,東京ときっちり向き合って写真を撮らなくてはいけないとずっと思っていた。
東京に生まれて東京に育ち,この街にしか住んだことがない。
でも何だか向き合うだけの準備ができていない気がして,ずっとうやむやにしてきていた。
大事なものすぎてなんだか手を出せないような感じ。
2年前,ふとそのタイミングがきた気がした。
たくさんの人達と映画『Diner ダイナー』と『人間失格 太宰治と3人の女たち』を撮り終えた頃,
ふと得意技を封じて,シャッターを切ることだけで勝負をしてみたいと思った。
撮り始めてみると,私にとっての東京とは私の半径2.3メートルの世界だった。
その中に常に虚構と現実が入り交じる日々。
どうやらその境界線が曖昧なのが私の日常,東京。
この本のほとんどは写ルンですで撮影している。
自分の得意技を全て使えない状況においた時に何が残るのか,何ができるのかが知りたかった。
表面を支配しているものを無くした時に見えてくる景色を見たかった。
きっとそこに答えはある。
今在りし日の東京の一面を眩しく見返している。
やはり写真には時代が写り込んでくる。
フィルムに焼きつく光景が日々変わっていく。
今も東京を撮り続けている。
写真はやっぱり面白い。
蜷川実花
極彩色の首都高、東京タワーとスカイツリー、79人のトーキョー・ピープル、そしてTOKYOの日常と非常事態......。移ろいゆく街で30年間シャッターを押し続けてきた蜷川実花が、いま世界に発信する幻の2020年東京のルポルタージュ。90年代と現在の都市の横顔が交錯し、変わりゆくものと変わらないものが織り交ざり、この場所の過去と未来が浮かび上がる、空前絶後の芸術写真集。
・商品名:『東京 TOKYO』蜷川実花
・価格:3,960円(税込)
・仕様:B5変形 並製 256ページ
・出版社:株式会社 河出書房新社
パルコオンラインストアでは、開催を記念して本書籍のサイン本を数量限定で販売します。
自宅で楽しめる3Dビューのオンライン展示を初開催
本展示は、リアルの会場「PARCO MUSEUM TOKYO」での展示開催に並行して、会場の様子を3ⅮビューでPARCO ARTのWEB SITEから無料鑑賞できるオンライン展示を併催します。
会場内を移動、また360度見渡す等、自宅にいながらあたかも実際に展示会場に居るような鑑賞体験を楽しむことができます。
・公開期間:6/12(金)11:30~6/29(月)18:00
・技術提供:株式会社Psychic VR Lab.
本展開催を記念したオリジナルグッズをご用意しました。
パルコオンラインストアでも販売します。
この他、過去に販売された書籍やZINE、グッズも販売いたします。
パルコオンラインストアURL:https://kaeru.parco.jp/shop/detail/shop000025836/
○ポストカードセット(6種セット) 1,320円
オリジナルプリントケースに6種のポストカードがアソート
○A4クリアファイル(全4種) 各660円
表裏でシンプルに写真がプリントされたデザイン
○2連アクリルキホルダー(全5種) 各660円
サイズ:約50×28㎜ ワイヤーリング
カラーアクリルに写真プリント、透明アクリルにロゴプリント
それぞれが重なったデザイン
○ステッカーセット(5種セット) 1,100円
サイズ:約40×66㎜ 再剥離仕様
本展インビテーションのデザインモチーフのステッカー。連貼りすると「東京」が繋がるデザイン
※価格は税込です。画像はイメージです。
SUPER DOMMUNE 蜷川実花「東京 TOKYO」@PARCO MUSEUM TOKYO 開催記念番組
「蜷川実花の写真史から紐解くNEW TOKYOとNEW NOMAL」5HOURS!!!!!
展覧会開催前日にDOMMUNEから生配信イベントをお送りします。
・19:00 - 21:30 TALK「蜷川実花解体新書」HISTORY OF MIKA NINAGAWA
出演:蜷川実花、宇川直宏 &スペシャルゲスト
・21:30 - 24:00「蜷川実花の東京、日本、世界、宇宙」
MIKA NINAGAWA SLIDE SHOW with REAL TIME SOUND TRACKING
写真:蜷川実花 DJ:Licaxxx
・配信日時:6月11日19:00-24:00
・URL:www.dommune.com
会場隣のMeets by NADiff内では、本展開催に合わせ2010年に発表された「noir」シリーズの一部が展示されます。
・会期:~7月5日(日)
・会場:渋谷パルコ4F Meets by NADiff
・入場無料
・企画:小山登美夫ギャラリー
蜷川実花の写真を思う時、まずその鮮やかな色が思い浮かびます。
そこに写っている花、人物、金魚などの対象は、こちらの感情、あるいは非現実的な世界をも喚起するような色彩を与えられています。
そんな自身の作品イメージを覆すかのように2010年に出版された写真集が今回展示しているシリーズ「noir」です。
蜷川の表現する色は光を全面的に味方にし、そこから生命の豊かさや美しさというものを掴み、とどめようとしますが、このシリーズでは、光が当たればそこには必ず影ができる、その裏側の影を暴き出そうとしているかのようでした。
しかし実はこの影の存在は、これまでの蜷川の膨大な作品群にも散見することができます。
表裏一体の光と影、そこには蜷川の写真を撮ることへの姿勢がよく表れています。
2020.06.03
写真家、映画監督。木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)、『Diner ダイナー』『人間失格 太宰治と3人の女たち』(ともに2019)監督。 Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』が世界190ヶ国で配信中。 映像作品も多く手がける。 2008年、「蜷川実花展―地上の花、天上の色−」が全国の美術館を巡回。 台北、上海などアジアを中心に大規模な個展を開催し、動員記録を大きく更新するなど人気を博し、世界的に注目を集めている。 2018年熊本市現代美術館を皮切りに、個展「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」が2021年まで全国の美術館を巡回中。 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事。
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