クリエイター

吉岡徳仁

YOSHIOKA TOKUJIN

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1967年生まれ。デザイナー / アーティスト。

倉俣史朗、三宅一生のもとでデザインを学び、2000年吉岡徳仁デザイン事務所を設立。デザイン、建築、現代美術の領域において活動し、自然と光をテーマにした詩的な作品は、国際的に評価されている。

グローバル企業のデザインを数多く手がけており、イッセイミヤケをはじめ、Cartier、Swarovski、Louis Vuitton、Hermès、Toyotaなどとコラボレーションしている。イタリアで開催されているミラノサローネ国際家具見本市では、Kartell、Moroso、Glas Italia、Driadeなどの家具ブランドと新作を発表。また、世界で最も活躍するデザイナーに与えられる、Design MiamiのDesigner of the Yearをはじめ、エル・デコによるInternational Design AwardsのDesigner of the Year、Milano Design Awardなどの国際的な賞を数多く受賞している。作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、フランス国立近代美術館(ポンピドゥーセンター)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)などといった世界の主要美術館にコレクションされており、アメリカの雑誌『Newsweek』による「世界が尊敬する日本人100人」にも選出された。

主な作品には、オルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ《Water Block》(2002年)をはじめ、クリスタルプリズムの建築《虹の教会》(2010・2013年)、結晶の椅子《VENUS》(2008年)、《ガラスの茶室 − 光庵》(2011年−)などがあり、東京2020オリンピック・パラリンピックでは聖火リレートーチのデザインを手がけている。主な展覧会に「Tokujin Yoshioka Honey-pop」(MDS/G、2002年)、「Tokujin x Moroso」(ミラノデザインウィーク、2007年)、「ネイチャー・センス展」(森美術館、2010年)、「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」(東京都現代美術館、2013年)、「TOKUJIN YOSHIOKA_SPECTRUM」(資生堂ギャラリー、2017年)、「吉岡徳仁 ガラスの茶室 -光庵」(国立新美術館、2019-21年)などがある。

Water Block (2002)

透明でありながら光の屈折によって、強いオーラを放つガラスのベンチ。
ガラスが固まる瞬間に作りだされる偶然の美しさ。
水が造り出す美しい波紋やきらめきを連想させる、自然が生み出す無秩序な美しさを表現し、まるで水の塊の彫刻のように透明で力強い造形を生み出している。

このプロジェクトは2002年から始まり、ガラスのベンチ《Water Block》をはじめ、六本木ヒルズに設置されている《雨に消える椅子》、世界最大のガラスの塊のテーブル、《Waterfall》などの多様な作品を発表している。

パリのオルセー美術館において、印象派ギャラリーのリニューアルプロジェクトに参加した吉岡。マネやドガ、モネ、セザンヌ、ルノワールに代表される印象派の作品群とともに《Water Block》が常設展示されている。ギャラリーに常設されたガラスのベンチは、印象派の描いた光の中に包み込まれるかのような、歴史と現代の美しい対話が始まる空間を創出している。


VENUS − 結晶の椅子 (2008)

「自然がつくりだす造形には、人間の想像を超える美しさがある」
水槽の中で結晶を成長させることで構造が生まれ、まるで女神が現れるように、時間とともにその姿を現す椅子。
自然の原理と予期せぬ美しさによって生み出される結晶の椅子は、従来のものづくりの概念を超えて示された、未来への私のメッセージとも言えるでしょう。

Credit
PH:Masaya Yoshimura

虹の教会 (2010・2013)

画家アンリ・マティスが、その晩年に隅々まで心を配り手がけたロザリオ礼拝堂。
20代前半の頃、南仏ヴァンスにあるその礼拝堂を訪ね、明るくまばゆい、圧倒的な光と色に包み込まれる不思議な体験を得て、「いつかこのような建築をつくりたい」という想いを強く抱いた。
建築プロジェクト「虹の教会」の重要なエレメントの一つ、500ものクリスタルプリズムを集積した高さ12メートルにも及ぶステンドグラスは、自然の光をたちまち鮮やかな虹色に変化させ、空間自体に「奇跡の光」が現われる。

ガラスの茶室 − 光庵 (2011−)

「ガラスの茶室 − 光庵」は、2011年の第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展にて発表し、2015年には京都の将軍塚青龍殿の大舞台で披露され大きな話題となりました。

エネルギーを知覚化する日本の自然観は、茶道の思想にも受け継がれています。
光庵は、空間と時間の概念を超え、日本文化の根源を再考する作品です。

光をガラスによって表現したこの茶室は、伝統的な掛軸や生け花はなく、降り注ぐ太陽の光により水面のような輝きを生み出し、クリスタルプリズムの彫刻から放たれる光は虹となり「光の花」が現れます。
その光の建築は、物質の概念から解き放たれ、詩的な光景を浮かび上がらせます。

Credit
「吉岡徳仁 ガラスの茶室 – 光庵」2019-2021年 国立新美術館 公開風景
TOKUJIN YOSHIOKA Glass Tea House KOU-AN, 2019-2021, The National Art Center, Tokyo, Installation View

吉岡徳仁
吉岡徳仁

デザイナー / アーティスト。 1967年生まれ。2000年吉岡徳仁デザイン事務所を設立。 デザインや建築、現代美術の領域において活動。詩的な作品は国際的にも高く評価されている。 国際的なアワードを多数受賞し、作品はニューヨーク近代美術館やフランス国立近代美術館など、世界の主要美術館に永久所蔵されている。 アメリカNewsweek誌による「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれている。 東京2020オリンピック・パラリンピックでは、聖火リレートーチのデザインを手がけている。

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