1966年の開学以来、デザインと美術に関わる活動の意義を社会的な視点から問い続けてきた東京造形大学。1学年の入学定員は380名。教員と学生との距離が近く、少人数教育によるきめ細やかで丁寧な対面での学びを重視している。
デザイン学科・美術学科は学びの分野ごとに10の専攻領域に分かれる。教育課程は、各分野の専門性を〝深める〟専門科目と、専攻領域の枠組みを越えて自由に履修することで知識や視野を〝広げる〟横断的科目の2つに大きく分類される。
横断的科目の中でも特に「ハイブリッド科目」と呼ばれる科目群では、専門の異なる教員や学生が交流しながら授業が展開され、専門分野以外の新たな視点や考え方が育まれる。地域や企業、自治体との協働プロジェクトなども行われ、実社会における課題発見・解決能力など、在学中から社会との関わり方を実践的に学ぶこともできる。
昨年公開された『だれかで終わるな。』というタグラインが印象的なブランドムービー。そこには、他の誰でもない〝唯一無二の自分〟を目指してほしいという東京造形大学の想いが込められている。
東京造形大学は「社会をつくり出す創造的な造形活動の探究と実践」を建学の精神として、デザイン・美術を時代や社会と深く結び付いた〝造形〟活動としてとらえている。この考え方に基づき、学生や卒業生の作品や活動を積極的に社会へ発信する取り組みが展開されている。
今年で6年目を迎えたプロジェクト『Tsubomi Collection』は、在学生や卒業したばかりの若いデザイナー・アーティストたちの才能を〝Tsubomi〟ととらえ、将来に花開くよう願いを込めて、さまざまな場所でプロダクトを紹介するプロジェクトだ。これまでに、海外美術館のミュージアムショップでの展示販売や、大阪と東京で『Tsubomi Collection Japan』を開催している。
他にも、東京の山手線1編成10車両に学生の作品を中吊りとして展示した「山手線グラフィック展」(2018年)や、学生、卒業生、教員100人以上が参加してレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を復元・展示した「夢の実現展」(2020年)など、デザイン・美術に関する様々な活動を社会へ発信している。
東京造形大学での学びは、秘めた才能を引き出し、社会そのものをデザインし、変革する力へとつながっている。